2022年9月時点におけるFCEV用の水素ステーションは、全国161カ所で運用されている。内訳は首都圏が58カ所、中京圏が49カ所、関西圏が19カ所、九州圏が14カ所、その他21カ所と、四大都市圏と四大都市圏を結ぶ幹線沿いを中心に整備が進められている。
2030年までに水素ステーションを1000基に増やす目標には程遠く、FCEVの販売も約4000台にとどまり、2030年に80万台まで増やす目標の達成が全く見通せない状況にある。
水素ステーション
2021年10月、政府はFCEVの普及に向け、小型水素ステーションの整備に乗り出すことを表明した。既設の水素ステーションは、工場で製造した水素を運び込むオフサイト型が主流であり、充填能力は5~6台/h、整備費は約4億円で補助金を使っても事業者は約1.5億円が必要である。
そこで2022年度を目途に、設置場所で水を電気分解して水素製造するオンサイト型を想定し、充填能力は1~2台/h、整備費は約1.5億円で補助金を使えば事業者は約0.5億円で済む小型水素ステーションを新たに補助金対象とした。初期費用が下がり、FCEV台数の少ない地方での設置も進むと想定している。
2022年8月、国の実証実験が終わり、福岡市は西部ガス、正興電機、豊田通商、九州電力グループの西日本プラント工業、三菱化工機と、生活排水の処理過程で発生するバイオガスから水素をつくりFCEVへ供給する水素ステーションの運営と機能強化で連携することを公表した。
9月26日から水素の供給を再開し、日曜日~水曜日までの週4日間、午前10時~午後5時まで営業する方針で、価格は1210円/kgを予定している。
2022年9月、伊藤忠商事、伊藤忠エネクス、日本エア・リキードは福島県本宮市のエネクスフリート本宮インターSSの隣接地に、大型商用車両対応の「本宮インターチェンジ水素ステーション」の設置を発表した。24時間365日営業を行い、一般の大型トラックと同様に、大型FCトラックユーザーにも洗車、休憩等のサービスを提供する。2024年前半の開所を予定している。
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