バイオディーゼルはバイオマス(菜種油、パーム油、大豆油、魚油・獣油、廃食用油など)の油脂を原料としたもので、主にディーゼルエンジン向けの燃料である。油脂は粘度が高いため、主にアルカリ触媒法(湿式洗浄法)でグリセリンを除去して精製される。
すなわち、水酸化カリウムや水酸化ナトリウムなどアルカリ触媒存在下でメタノールと反応させてエステル化し、生成するグリセリンを除去して得られる脂肪酸メチルエステルを燃料としている。一定品質を確保するため、廃食用油からの燃料生産も行われている。
バイオディーゼルを含む軽油は、WWFCで燃料品質が規格化されB10(体積比で10%混合)、B20(同20%混合)、B100(100%)と表記されている。植物油は食糧との競合が懸念されるため、最近では油脂生産速度の高い微細藻類による製造が注目されている。
・“ごみ”を“エタノール”に変換する世界初の革新的技術を確立、積水化学工業、プレスリリース、(2017).
2014年から、(株)ユーグレナはいすゞ自動車(株)のバス向けに、微細藻類ミドリムシ由来のバイオディーゼル燃料を提供している。燃料規制により軽油には最大5%しか混合できなかったが、現在は100%バイオディーゼルでの実証が進められている。
2017年4月には、マツダ(株)は広島大学、東京工業大学とゲノム編集まで駆使して次世代自動車向けに微細藻類「ナンノクロロプシス」に注目し、液体バイオ燃料の研究開発に着手している。
2018年8月、マツダは「ひろしま自動車産学官連携推進会議」で進めている自動車用次世代バイオディーゼルの普及拡大に向け、原料製造(微細藻類油脂および使用済み食用油から成る再生油脂)・供給から利用に至るバリューチェーンを構築し、バイオディーゼルの利用開始を公表している。
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