
事故耐性燃料の開発(Ⅴ)
現在、開発が進められている事故耐性燃料(ATF)の主体は、過酷事故(Severe accident)を本質的に防ぐものではない。福島第一原発事故を顧みて、ジルカロイ燃料被覆管に起きた事象を遅らせる対策であることを忘れてはならない。今後、この遅らせる効果を定量的に把握し、耐環境コーティング開発に反映させる必要がある。加えて、燃料自体に課せられた「燃料中心温度の低下や、放射性物質の保持性能を向上させる」概念の開発についても海外燃料メーカーの情報収集に基づく開発加速が重要である。