日本の高温ガス炉の開発現状(Ⅲ)
現在、高温ガス炉(HTGR)の発電所としての実績は、中国が2023年12月に実証炉を商業運転に移行しているのみである。米国は2028年を目指して小型モジュール炉として実証炉の建設を進めている。日本の実験炉(HTTR)は、2010年に950 ℃で50日間の連続運転による熱供給以降に目立った成果は見られない。実証炉の開発には数兆円規模の投資が必要である。日本は実験炉(HTTR)の研究成果を基に、英国・ポーランドに協力して実証炉建設のノウハウを吸収し、2029年から実証炉の製作・建設を開始する計画で、2030年代後半の実証炉の運転開始を目指している。