船舶 遅れたメタノール燃料船への対応(Ⅱ) メタノール燃料は、デンマーク海運大手でコンテナ船世界2位のAPモラー・マースクを中心に導入が進められており、既に世界で主要な約130か所の港での供給が可能である。しかし、国内ではメタノール燃料のバンカリング(船舶への燃料供給)が遅れており、供給地点は限られているのが現状である。 2024.09.03 船舶
船舶 遅れたメタノール燃料船への対応(Ⅰ) 2050年までに内航船でもカーボンニュートラルの実現が求められ、船舶分野ではLNG(液化天然ガス)や水素、アンモニアといった次世代燃料の導入が進められている。その一つとして、世界的にも注目されているのがメタノール燃料である。メタノールはアンモニアと比べて毒性が低いので扱いやすい。 2024.08.29 船舶
エネルギー 期待の高まる合成燃料(e-fuel)(Ⅹ) 合成燃料(e-fuel)の普及のための最大の課題は低コスト化にある。特に、原料である再生可能エネルギー水素の低コスト化が不可欠で、遅れている再生可能エネルギーの導入が問題である。再生可能エネルギー電力の低コスト化が進めば、水電解で製造するグリーン水素の低コスト化も進む。合成燃料の製造プロセスは、原料も含めて国内で全て調達することが可能である。従来のように安易に海外から安価な水素の輸入を選択せずに、将来に向け国内製造による自給率の向上をめざす転機である。 2024.08.08 エネルギーはじめに
エネルギー 期待の高まる合成燃料(e-fuel)(Ⅸ) 新興企業を中心に、欧州で73件、南北アメリカで24件の合成燃料の製造プロジェクトが始動している。出遅れた日本は、早急なキャッチアップが必要である。2024年3月末時点で稼働しているのは、欧州で5件(英国のZero Petroleum、アイスランドのCRI、ドイツのFairfuels、CAC、P2X-Europe)、南北アメリカで3件(チリのHIF Chile、米国のDimensional Energy、Infinium)としており、航空機や船舶向けの燃料製造計画が先行している。 2024.08.06 エネルギーはじめに
エネルギー 期待の高まる合成燃料(e-fuel)(Ⅷ) 石油会社を中心に合成燃料(e-メタノール)の開発が進められている。e-メタノールからは、合成ガソリンや航空機燃料SAFに加工することができる。一方、ガス会社を中心に合成燃料(e-メタン)の開発が進められている。e-メタンは都市ガスとほぼ同組成であり、都市ガス導管に直接注入できる。 2024.08.01 エネルギーはじめに
エネルギー 期待の高まる合成燃料(e-fuel)(Ⅶ) 航空機分野では、持続可能な航空機燃料(SAF)の導入によるCO2削減効果が最も大きく、全体の60~70%を占めると推計されている。今後、経済安全保障の観点からも、SAFの国内生産、サプライチェーン構築により、安定的に需要量を供給できる体制の整備が必要である。 しかし、2050年時点のSAFの想定必要量は、国内で2,300万kL/年、全世界では5.5億kL/年と推計されており、バイオ燃料だけでは原材料の確保に限界があり、合成燃料の安定供給が不可欠と考えられている。 2024.07.30 エネルギーはじめに
エネルギー 期待の高まる合成燃料(e-fuel)(Ⅵ) 外航船舶各社は、移行期における低炭素燃料としてLNG燃料船の導入を進めている。合成燃料(e-fuel)への転換の検討は始まったばかりであるが、LNG燃料船は将来的に合成燃料(カーボンリサイクルメタン、e-メタン)への転用が可能である。また、内航海運では、2030年度のCO2排出量を約17%削減(2013年度比)を目標とし、省エネと代替燃料(アンモニア、水素)の活用を推進している。 2024.07.25 エネルギーはじめに
エネルギー 期待の高まる合成燃料(e-fuel)(Ⅴ) 合成燃料に関しては、ドイツのアウディとポルシェにより先駆的取りが組み進められており、EVシフトが加速される中で、2023年3月のEUは「合成燃料(e-fuel)の利用に限り2035年以降のエンジン車の新車販売容認」を発表した。当初、合成燃料は電動化が難しい航空機・船舶向けが本命との予測もあったが、運輸部門でのCO2削減に自動車は避けて通れず、HVを含むエンジン搭載車での利用が再認識された。 2024.07.23 エネルギーはじめに
エネルギー 期待の高まる合成燃料(e-fuel)(Ⅳ) 合成燃料の製造プロセスは基本的に確立されている。すなわち、CO2をCOに変換(逆シフト反応)し、COとH2を①逆シフト+FT合成する方法である。一方で、低コスト化をめざした製造効率の向上が課題である。そのため、②CO2電解+FT合成、③共電解+FT合成、④直接合成(Direct-FT)などの研究が進められている。 2024.07.18 エネルギーはじめに
エネルギー 期待の高まる合成燃料(e-fuel)(Ⅲ) 2022年9月、合成燃料の導入促進に向けた官民協議会が設置された。グリーンイノベーション(GI)基金とMEDO事業により、大規模かつ高効率な製造プロセスの開発を進め、2030年までに合成燃料の大規模製造プロセスの実証をめざすとし、大枠のロードマップが示された。2025年までにベンチプラントで1BPD(バーレル/日)、2028年までにパイロットプラントで300BPDを実証する。 2024.07.16 エネルギーはじめに