二酸化炭素

船舶

CO2回収システム搭載船とは?(Ⅲ)

脱炭素社会の実現に向けて、船上CCS搭載によりCO2を回収して貯留した後、CO2を有効利用する二酸化炭素回収・有効利用・貯留(CCUS:Carbon dioxide Capture Utilisation and Storage)の開発が必要である。液化CO2の海上輸送はCCUSバリューチェーンの中で回収地と貯留地、もしくは回収地と有効利用地を効率的に結ぶ手段として重要な役割を担う。
船舶

CO2回収システム搭載船とは?(Ⅱ)

国内では、2020年8月に三菱造船、川崎汽船、日本海事協会が、陸上用のCO2回収装置を実船搭載して試験運転すると発表した。"CC-Ocean (Carbon Capture on the Ocean)”プロジェクトである。一方、欧州を中心に、船上CCS搭載に関しては積極的な動きが始まっている。2019年10月にデンマークの海事研究開発センターと世界各国の海運会社、造船所などにより「DecarbonICE」プロジェクト立ち上げられた。
船舶

CO2回収システム搭載船とは?(Ⅰ)

1990年代から、火力発電所からの温室効果ガス削減を目的に、ボイラ排ガスからCO2を分離回収して貯留する技術(CCS: Carbon dioxide capture and storage)の開発が進められてきた。CO2回収システム搭載船は、火力発電用に開発されてきたCCSシステムを船舶用にカスタマイズして搭載することで、エンジン排ガスからのCO2を分離回収することを目的としている。
船舶

船舶用エンジンと燃料の現状(Ⅰ)

船舶用エンジンは蒸気タービンエンジンに始まり、現在では経済性に優れたディーゼルエンジンが主流となっており、小型のプレジャーボートなどでは自動車と同じガソリンエンジンが使用されている。その他、ガスタービンエンジンはジェットフォイルや軍用艦船などの特殊用途に使用されている。最近では静粛性に優れた電動気推進が大型客船などに使用されており、用途に応じてエンジンと蓄電池を組み合わせたハイブリッド推進船が実用化されている。
重機

重機分野の脱炭素化(Ⅰ)

現時点で建設機械を始めとする重機分野では、軽油を燃料とするジーゼル・エンジン駆動が主流であり、電動化市場は世界的にみても立ち上がっていない。しかし、環境規制の厳しい欧州を始めとして、世界の潮流は2050年カーボンニュートラルに向かっており、重機メーカーも脱炭素化を進めている。
鉄道

鉄道分野の脱炭素化(Ⅰ)

脱炭素社会の潮流を受けて、鉄道分野においてもCO2排出量削減の動きが始まっている。すなわち、自動車・航空機・船舶に比べて電化率が60~70%の鉄道分野では、JR各社が亜幹線・ローカル線を中心に運用する非電化区間のディーゼル動車を対象に、CO2排出量の削減を進めている。
航空機

国際線 CO2 排出:2050年に実質ゼロ

2022年9月、国連の専門機関・国際民間航空機関(ICAO)の総会で、国際線の航空機が排出するCO2を2050年に実質ゼロとする目標が採択された。一方、国内でも、新たな「バイオマス活用推進基本計画」(第三次)が閣議決定された。特筆されるのは、航空分野における脱炭素化の取組に寄与する持続可能な航空燃料(SAF : Sustainable Aviation Fuel)の社会実装に向けた取組の推進である。
自動車

2020年前後の環境規制とメーカー動向

地球温暖化問題に端を発した環境車対応への移行は、2017年以降に各国・各地域でCO2排出量の抑制を目指した規制強化が進められた。日本と米国はHVEを中心に、中国と欧州はBEVとFCEVに、重点を置く方針を表明し、それぞれの国や地域の実情に応じた電動化(EVシフト)目標を設定している。