カーボンニュートラル

はじめに

進み始めた日本のグリーン変革(Ⅲ)

「グリーントランスフォーメーション」を進めるための最大の課題は、非化石燃料電源への転換に要する膨大な投資費用であり、政府は今後10年間で150兆円を超える官民のGX投資が必要としている。日本の部門別CO2排出量(2022年度、電気・熱配分前)は、エネルギー転換部門は40.5%、産業部門が24.4%、運輸部門が17.8%、業務その他部門が5.5%、家庭部門が4.8%、その他7%である。そのためグリーントランスフォーメーションは、エネルギー転換部門、産業部門、運輸部門が当面の対象となる。
はじめに

進み始めた日本のグリーン変革(Ⅱ)

岸田政権では、「グリーン成長戦略」は「グリーントランスフォーメーション(GX)」へと引き継がれて推進された。大きな前進は、GX実行の財源として、炭素税導入とCO2排出量取引などを「カーボンプライシング」と称して明示した点にある。研究開発資金をばら撒くだけでなく、その財源を集める手順を示したのである。
はじめに

進み始めた日本のグリーン変革(Ⅰ)

2020年10月の「2050年カーボンニュートラル」宣言に始まった日本のグリーンイノベーションは、菅政権の「グリーン成長戦略」から、岸田政権の「グリーントランスフォーメーション(GX)」へとつなげられ、①非化石燃料電源への変換と、②炭素税やCO2排出量取引の実現の2本仕立てで進み始めている。
はじめに

2050年カーボンニュートラル(Ⅳ)

国内のCO2排出量の10%を占める業務・家庭部門の脱炭素化も重要であり、⑫住宅・建築物産業・次世代電力マネージメント産業、⑬資源循環関連産業、⑭ライフスタイル関連産業がリストアップされている。2023年時点で、水素の大規模サプライチェーン構築、水素の水電解装置、次世代船舶、次世代航空機、ベロブスカイト型太陽電池、洋上風力など17件の開発プロジェクトが進行中である。
はじめに

2050年カーボンニュートラル(Ⅲ)

 国内のCO2排出量の25%を占める産業部門、17%を占める運輸部門の脱炭素化は重要課題である。グリーン成長戦略では、輸送・製造関連産業では⑤自動車・蓄電池産業、⑥半導体・情報通信産業、⑦船舶産業、⑧物流・人材・土木インフラ産業、⑨食料・農林水産業、⑩航空産業、⑪カーボンリサイクル・マテリアル産業がリストアップされている。
はじめに

2050年カーボンニュートラル(Ⅱ)

エネルギー関連産業においてリストアップされたのは①洋上風力・太陽光・地熱、②水素・燃料アンモニア、③次世代熱エネルギー、④原子力である。国内のCO2排出量の37%を占める電力部門の脱炭素化は必須であり、再生可能エネルギーについては最大限の導入を目指す必要がある。そのためには系統整備、発電コストの低減、周辺環境との調和、出力変動の平準化のための蓄電池の活用が重要となる。2020年時点で総発電量の20%弱である再生可能エネルギーを、2050年には約50~60%への増設を目指す。
はじめに

2050年カーボンニュートラル(Ⅰ)

2021年6月、経済産業省が中心となり、関係省庁と連携して「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定した。それから3年を経過して枠組みの変更が進み、様々なグリーン・プロジェクトが発足している。もう一度、原点に戻ってグリーン成長戦略の中味を見直してみた。
自動車

日産のEV戦略に注目!

2021年11月、日産自動車は、今後5年間で約2兆円を投資し、電動化を加速する長期ビジョンである「Nissan Ambition 2030」を発表した。また、2023年2月には、この電動化戦略をさらに加速する取り組みを発表している。トヨタ自動車の基本方針である「全方位戦略」とは異なり、EVシフトを明確に意識した顧客目線での戦略である。日産とルノー、三菱自動車の3社によるアライアンスの2030年に向けた目標が示された。
エネルギー

日本の「2050年カーボンニュートラル」(Ⅱ)

国内のCO2排出量の25%を占める産業部門、17%を占める運輸部門の脱炭素化は重要課題である。そのためグリーン成長戦略では、輸送・製造関連産業では⑤自動車・蓄電池産業、⑥半導体・情報通信産業、⑦船舶産業、⑧物流・人材・土木インフラ産業、⑨食料・農林水産業、⑩航空産業、⑪カーボンリサイクル産業がリストアップされている。
エネルギー

日本の「2050年カーボンニュートラル」(Ⅰ)

日本は「2050年カーボンニュートラル」を実現することを宣言した。これを実現するためにはグリーン・リカバリーにより経済と環境の好循環を作り出すことが必要として、グリーン成長戦略が示された。エネルギー関連産業において特筆されているのは①洋上風力、②燃料アンモニア、③水素、④原子力である。