カーボンニュートラル

はじめに

脱炭素に向けた発電電力量の推移(Ⅺ)

2023年度の国内総生産(GDP)は、物価の影響を含めた名目GDPが前年より5.7%増えて591.4兆円に達した。 しかし、米ドル換算では1.1%減の4.2兆ドルで、ドイツの4.4兆ドルに抜かれ、世界4位に転落した。円安を何とかしないと、2024年度はインドにも抜かれるとの報道が流れている。
はじめに

脱炭素に向けた発電電力量の推移(Ⅹ)

FIT制度が導入された2012~2015年、バイオマス発電の発電電力量の年平均伸び率は4%程度で推移し、2016年以降は、年平均伸び率は14.8%と高い値を示している。バイオマス発電の買取実績は太陽光発電、風力発電に次いで多く、堅調な導入が進められている。年平均伸び率14.8%で発電電力量が増加を続けた場合、2030年には1054億kWhに到達する。これは、第6次エネルギー基本計画で目標とした総発電電力量(9300~9400億kWh)の5%とするバイオマス発電の電力量(465~470億kWh)の2.2~2.3倍になる。
はじめに

脱炭素に向けた発電電力量の推移(Ⅸ)

FIT制度が導入された2012~2015年、地熱発電の設備設置容量の年平均伸び率は0%で推移し、2016年以降は、2019年、2020年、2023年に若干の伸びを示したものの、概ね年平均伸び率は4%に留まる。年平均伸び率は4%で増設が進むと仮定すれば、2030年の地熱発電の発電電力量は43億kWhに拡大する。しかし、第6次エネルギー基本計画で目標とした総発電電力量(9300~9400億kWh)の1%とする地熱発電の電力量(93~94憶kWh)の45.7~46.2%に留まる。 
はじめに

脱炭素に向けた発電電力量の推移(Ⅷ)

FIT制度が導入された2012~2016年、風力発電の設備設置容量の年平均伸び率は4.6%程度で上昇傾向を示した。2017年以降は伸び率は隔年で変動するが、上昇傾向は平均7.2%に留まっている。2023年度の発電電力量は105億kWhに達したものの、2030年度の目標値である465~470億kWhには程遠い。
はじめに

脱炭素に向けた発電電力量の推移(Ⅶ)

FIT制度が導入された2012年の太陽光発電の発電電力量の年平均伸び率は78.3%と異常に高い値を示した。しかし、買取価格の引き下げと共に、2014年以降の年平均伸び率は51.3%、31.6%、20.3%、13.8%、10.7%、14.0%、8.8%、7.5%、2023年は4.2%と明らかに導入は鈍化傾向を示している。仮に4.2%の年平均伸び率をキープできても、2030年には1290億kWhと予測される。これは、第6次エネルギー基本計画で目標とした総発電電力量(9300~9400億kWh)の14~16%とする太陽光発電の電力量目標(1302~1504億kWh)の86~99%に留まる。ただし、年平均伸び率は年々低下してきており、現時点では太陽光発電も2030年の発電電力量の目標値はクリアできないと予測できる。
はじめに

脱炭素に向けた発電電力量の推移(Ⅵ)

FIT制度が導入された2012~2015年、水力発電の発電電力量の年平均伸び率は3.8~5.1%と順調に上昇したが、2015年あたりでピークを示し、2017年以降はー1.7%と明らかな減少傾向を示している。このまま-1.7%で発電電力量が減少を続けた場合、2030年には670億kWhに減少すると予測される。これは、第6次エネルギー基本計画で目標とした総発電電力量(9300~9400億kWh)の11%とする水力発電の電力量(1023~1034憶kWh)の65.5~64.8%にまで低下することになる。
はじめに

脱炭素に向けた発電電力量の推移(Ⅴ)

FIT制度が導入された2012~2015年、大規模水力発電を含む再生可能エネルギーの発電電力量の年平均伸び率は10~12%と伸びたが、2016年以降は年平均伸び率は鈍化し、2023年は3.0%まで低下した。今後、仮に年平均伸び率3.0%を維持できた場合でも、2030年には2854億kWhにしか到達しない。これは第6次エネルギー基本計画で目標とした総発電電力量(9300~9400億kWh)の36~38%とする再生可能エネルギー発電の電力量(3348~3572憶kWh)の80~85%であり、目標は未達となる。2011年の東日本大震災以降の国内の再生可能エネルギー導入状況を観てみよう。
はじめに

脱炭素に向けた発電電力量の推移(Ⅳ)

政府主導で「非効率石炭火力」の休廃止が進められる一方で、「高効率石炭火力」へのリプレースと新設が進められた結果、火力発電の総発電電力量は漸減傾向にあるものの、第6次エネルギー基本計画で示された2030年の目標にはまだまだ遠いのが現状である。2011年の東日本大震災以降の国内の火力発電の抑制状況について、より詳しくエネルギー事情を観てみよう。
はじめに

脱炭素に向けた発電電力量の推移(Ⅲ)

2021年10月に策定された第6次エネルギー基本計画で示された2030年を目標とした発電電力量構成比には、まだまだ道は遠い。特に、原子力発電の再稼働は順調に進んでいないとの報道もある。本当か?2011年の東日本大震災以降の国内原子力発電の再稼働状況について観てみてみよう。
はじめに

脱炭素に向けた発電電力量の推移(Ⅱ)

2010年度における発電電力量の構成比は、原子力25.1%、火力65.4%、水力7.3%、地熱及び新エネルギーが2.2%である。しかし、2011年3月の福島第一原発事故以降、原子力発電所は順次に運転停止され、2014年度における発電電力量構成比は、原子力0%、火力87.5%、水力7.9%、地熱及び新エネルギー4.6%となった。その後、2012年7月に再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)が導入、2015年12月に地球温暖化対策の国際的枠組みの「パリ協定」が採択された。その結果、2020年度の発電電力量の構成比は、原子力3.9%、火力76.3%、水力7.8%、地熱及び新エネルギー12.0%と、再生可能エネルギーが約20%に達した。