再エネ

日本がリードしてきた太陽光発電(Ⅰ)

太陽電池は、p型半導体とn型半導体との接合面(p-n接合面)に光が吸収されると、電荷分離が生じて電子とホール(電子の抜けた穴)が生成され、それを集電極に導くことで起電力が生じる現象を利用する。現在も主流である第一世代のシリコン系太陽電池セルは、その結晶型により単結晶と多結晶とに分類される。第二世代の太陽電池はシリコン使用量の少ない薄膜型や、シリコンを全く使用しない金属化合物系太陽電池が実用化されている。最近では、第三世代の太陽電池として量子ドット型も注目されている。
いろいろ探訪記

テムズ川に架かるタワーブリッジ@英国ロンドン市

地下鉄ロンドン・ブリッジ駅を下車して地上に上がり、歩いて2分程度でタワーブリッジ(Tower Bridge)の南端に到着しました。ホーレス・ジョーンズの設計により、1886年に着工し、1894年6月に完成した道路橋です。片側一車線道路で両側に幅広の歩道があり、船の航行時に中央部が上に跳ね上がる両開き跳開橋ちょうかいきょうです。全長:244m、開口部幅:76m、全3径間で両側径間は82mの吊り橋、中央径間は長さ:61m、幅:20m弱、桁下けたした高さ:8.6mですが、大型船通過時には角度86°まで跳ね上がります。ゴシック様式の巨大ツインタワーは高さ:65mですが、高さ:44mの位置で上部橋2本により連結され安定した景観を表しています。
再エネ

世界で導入が進む太陽光発電(Ⅱ)

この数年で太陽光発電への期待度が急速に高まっている。IAEの示す目標では、2050年の電源構成に占める太陽光発電の割合が33%➡41%へと高く設定されている。風力発電の割合は35%➡31%、その他の再生可能エネルギーの割合も20%➡17%、水素発電・CCUS付き発電の割合も4%➡3%へと減少している。
再エネ

世界で導入が進む太陽光発電(Ⅰ)

IEAによると、2022年の世界のCO2排出量は369億トンと過去最高を示した。2050年のネットゼロ達成のためには、2030年時点でCO2排出量の削減目標を、211億トン➡240億トンに積み増す必要がある。この目標達成のカギとなるのは再生可能エネルギー発電の増強である。2022年の世界の再生可能エネルギー発電の設備容量は3629GW(36.29億kW)だが、2030年には約3倍の1万1008GW(110.08億kW)に拡大する必要がある。そのため、太陽光発電の追加設備容量を630➡820GW/年に積み増す必要があるとした。
原子力

原子力の未来予測(Ⅳ)

英国、カナダ、ドイツ、フィンランド、スウェーデンなどは技術的な難易度、莫大な開発費用から、経済性が見出せないとし、使用済み核燃料を直接処分する方針を打ち出した。一方、日本は当初の計画をはるかに超えた再処理工場への投資や、原型炉「もんじゅ」の失敗にも懲りずに、高速炉の実証炉開発を目指しており、将来的には再び高速増殖炉の開発を指向している。莫大な費用を要する「核燃料サイクル」の開発を再開するには、より確実な見通しが必要である。
原子力

原子力の未来予測(Ⅲ)

スケールメリットを発揮できる大型軽水炉と比べて、小出力の小型軽水炉(SMR)は発電単価で不利となる。期待が先行するSMRであるが、現在主流の大型軽水炉に置き換わるのは難しい。既に、2023年11月、米国ニュースケール・パワーは、西部アイダホ州で2029年稼働を計画していたSMR6基の建設中止を発表した。主な原因は経済性が見込めないためとされている。
原子力

原子力の未来予測(Ⅱ)

2023年4月、宣言通りにドイツが「脱原発」を完了した。一方、欧州の多くの国ではエネルギー安全保障を強化するため「脱ロシア」を念頭に置き、原発回帰の動きが活発化している。また、米国では35年振りに新規建設の原発が本格稼働を開始した。一方、日本では原発の建て替えや新増設の有力候補として「革新軽水炉」の開発が進められている。従来の大型軽水炉を改良して安全対策を強化し、運転開始の目標時期は2030年代中頃である。既存技術の延長線上にあるため技術的な問題点が少なく、発電単価も安価になると期待されている。
原子力

原子力の未来予測(Ⅰ)

原子力の未来予測を語る上で、福島第一原発の廃炉処理の問題を無視することはできない。廃止措置終了までの期間として30~40年後とされており、2050年頃である。鍵は燃料デブリの取り出しで、これらを完全に遂行して、ようやく原点に回帰できる。原子力発電は運転でCO2を排出しないため、ゼロエミッション発電の実現には有効である。しかし、重大事故を招かないための安全対策は不可欠である。福島第一原発事故を教訓として開発中の「革新軽水炉」を早期に実現し、従来の大型軽水炉の置き換えを進める必要がある。
原子力

日本の高速炉の開発現状(Ⅴ)

英国、カナダ、ドイツ、フィンランド、スウェーデンなどは技術的な難易度、莫大な開発費用から、経済性が見出せないとし、高速炉を開発せず使用済核燃料を直接処分する方針を打ち出している。一方、日本は当初の計画をはるかに超える再処理工場への投資や、原型炉「もんじゅ」の失敗にも懲りずに、高速炉実証炉の開発を目指し、将来的には再び高速増殖炉の開発を指向している。莫大な費用を要する核燃料サイクルの開発を再開するには、より確実な見通しが必要である。
原子力

日本の高速炉の開発現状(Ⅳ)

エネルギーの安定供給確保は重要な政策課題であるが、核燃料サイクルは、国ごとのエネルギー事情により独自の政策が進められている。米国は一度は開発を中止したが、その後、核燃料サイクルに再び着目し高速炉開発を推進している。フランス、ロシア、中国、インドは、積極的に高速増殖炉の開発を進めている。一方で、英国、カナダ、ドイツ、フィンランド、スウェーデンなどは技術的な難易度、莫大な開発費用から、経済性が見出せないとし、使用済み燃料を直接処分する方針を打ち出している。現状ではウラン燃料の価格が安く、核燃料サイクルによるプルトニウム燃料での発電が高価となるためである。