エネルギー

期待の高まる合成燃料(e-fuel)(Ⅷ)

石油会社を中心に合成燃料(e-メタノール)の開発が進められている。e-メタノールからは、合成ガソリンや航空機燃料SAFに加工することができる。一方、ガス会社を中心に合成燃料(e-メタン)の開発が進められている。e-メタンは都市ガスとほぼ同組成であり、都市ガス導管に直接注入できる。
エネルギー

期待の高まる合成燃料(e-fuel)(Ⅶ)

航空機分野では、持続可能な航空機燃料(SAF)の導入によるCO2削減効果が最も大きく、全体の60~70%を占めると推計されている。今後、経済安全保障の観点からも、SAFの国内生産、サプライチェーン構築により、安定的に需要量を供給できる体制の整備が必要である。 しかし、2050年時点のSAFの想定必要量は、国内で2,300万kL/年、全世界では5.5億kL/年と推計されており、バイオ燃料だけでは原材料の確保に限界があり、合成燃料の安定供給が不可欠と考えられている。
エネルギー

期待の高まる合成燃料(e-fuel)(Ⅵ)

外航船舶各社は、移行期における低炭素燃料としてLNG燃料船の導入を進めている。合成燃料(e-fuel)への転換の検討は始まったばかりであるが、LNG燃料船は将来的に合成燃料(カーボンリサイクルメタン、e-メタン)への転用が可能である。また、内航海運では、2030年度のCO2排出量を約17%削減(2013年度比)を目標とし、省エネと代替燃料(アンモニア、水素)の活用を推進している。
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期待の高まる合成燃料(e-fuel)(Ⅴ)

合成燃料に関しては、ドイツのアウディとポルシェにより先駆的取りが組み進められており、EVシフトが加速される中で、2023年3月のEUは「合成燃料(e-fuel)の利用に限り2035年以降のエンジン車の新車販売容認」を発表した。当初、合成燃料は電動化が難しい航空機・船舶向けが本命との予測もあったが、運輸部門でのCO2削減に自動車は避けて通れず、HVを含むエンジン搭載車での利用が再認識された。
エネルギー

期待の高まる合成燃料(e-fuel)(Ⅳ)

合成燃料の製造プロセスは基本的に確立されている。すなわち、CO2をCOに変換(逆シフト反応)し、COとH2を①逆シフト+FT合成する方法である。一方で、低コスト化をめざした製造効率の向上が課題である。そのため、②CO2電解+FT合成、③共電解+FT合成、④直接合成(Direct-FT)などの研究が進められている。
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期待の高まる合成燃料(e-fuel)(Ⅲ)

2022年9月、合成燃料の導入促進に向けた官民協議会が設置された。グリーンイノベーション(GI)基金とMEDO事業により、大規模かつ高効率な製造プロセスの開発を進め、2030年までに合成燃料の大規模製造プロセスの実証をめざすとし、大枠のロードマップが示された。2025年までにベンチプラントで1BPD(バーレル/日)、2028年までにパイロットプラントで300BPDを実証する。
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期待の高まる合成燃料(e-fuel)(Ⅱ)

合成燃料(e-fuel)のメリットは、従来の内燃機関(エンジン)や既存の燃料インフラ(タンクローリー、ガソリンフタンドなど)を活用でき、導入コストを抑えられて、市場導入が容易な点である。また、化石燃料と同等の高エネルギー密度を有し、硫黄分や重金属分が少ないため燃焼排ガスにも不純物は含まれない。一方、デメリットは、現時点で原料となるグリーン水素の製造とCO2回収に費用を要するために、合成燃料は高価格であり、既存燃料と同じように、燃焼条件により有害なCO、NOxが発生する点である。
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期待の高まる合成燃料(e-fuel)(Ⅰ)

運輸部門におけるCO2排出量の削減には輸送効率の改善が重要で、航空機、自家用乗用車、バス、自家用貨物車が対象となる。中でも長距離用のバスや自家用貨物車、EV化やFCEV化が困難な航空機については、液体燃料の脱炭素化(バイオ燃料、合成燃料)が選択肢の一つと考えられる。自動車用バイオ燃料➡航空機用SAF➡合成燃料(e-fuel)へと代替燃料の話題が急速に移行している。当初、合成燃料は電動化が難しい航空機や船舶向けが本命と考えられていたが、欧州連合(EU)の新方針を契機に、自動車での合成燃料の需要拡大を見込んだ開発競争が始まっている。
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石炭火力でのバイオマス混焼問題(Ⅳ)

国内の大手電力会社では、CO2削減を掲げて既存の石炭火力発電所でのバイオマス混焼発電を進めている。石炭火力発電所からのCO2排出量を出来るだけ少なく見せるという姑息な手段で、欧州の先進諸国からは、石炭火力発電所の延命策と受け取られている。国内で進められている石炭火力発電所の木質バイオマス混焼あるいは専焼の行きつく先は何処であろうか?
再エネ

石炭火力でのバイオマス混焼問題(Ⅲ)

2023年4月、環境NGO (90団体)が、「石炭火力発電のバイオマス混焼および専焼化は気候変動を加速させ、森林生態系を破壊する」として、「廃棄物以外の燃料を使うバイオマス発電を再生可能エネルギーの対象から外し、補助金等による支援を行わないこと」などを、政府に求める共同声明を発表した。大規模バイオマス発電や石炭火力発電の混焼に使われる木質バイオマス燃料は、大部分が東南アジアや北米からの輸入であり、森林破壊を招く可能性が高い。