火力発電

次世代火力発電システムとは?(Ⅱ)

先進超々臨界圧火力発電(A-USC)、炭ガス化コンバインドサイクル発電(IGCC)、石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)はいずれも石炭火力発電システムであり、今後の実用化にはCO2回収・貯留(CCS)装置の付帯が必須である。しかし、世界的に脱石炭火力発電所がメガトレンドとなっている現状において、長期間、膨大な費用をかけて開発されてきた次世代石炭火力発電の実用化は困難である。
火力発電

次世代火力発電システムとは?(Ⅰ)

高効率発電と低炭素化を目指し、経済産業省プロジェクトとして先進超々臨界圧火力発電(A-USC)、1700℃級の高温ガスタービン、石炭ガス化コンバインドサイクル発電(IGCC)、石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)、ガスタービン燃料電池複合発電(GTFC)が進められた。しかし、世界的に脱石炭火力発電所がメガトレンドとなっている現状において、次世代石炭火力発電の開発構想は、見直すべき時期である。
エネルギー

水素基本戦略の改訂について(Ⅲ)

日本の水素基本戦略の中核は燃料電池である。水素産業競争力強化で、多くのページを割いていることからも分かる。この燃料電池関連の戦略が失敗したことの真摯な反省に基づく戦略の見直しが必要である。「今後は乗用車に加え、より多くの水素需要が見込まれ FCV の利点が発揮されやすい商用車に対する支援を重点化していく。」とする水素戦略の改訂には、過去の反省が見られない。FCVをFCトラック等に書き換えただけでは、同じ失敗を繰り返す可能性が高い。。
エネルギー

水素基本戦略の改訂について(Ⅱ)

水素基本戦略の改訂では、新たに①水素供給(水素製造、水素サプライチェーンの構築)、②脱炭素型発電、③燃料電池、④水素の直接利用(脱炭素型鉄鋼、脱炭素型化学製品、水素燃料船)、⑤水素化合物活用(燃料アンモニア、カーボンリサイクル製品)を重要戦略分野とし、重点的に取り組む。
エネルギー

水素基本戦略の改訂について(Ⅰ)

2023年6月、日本は「水素基本戦略」を6年ぶりに改定した。国内の水素製造と海外からの水素購入を合わせて、2040年までに1200万トン/年に拡大する目標を新たに設定し、官民合わせて今後15年間で15兆円の投資を行うとした。今回の「水素基本戦略」の改訂では、新たな目標・基準を設定したかに見えるが、水素の供給目標は2040年の中間目標値を示すに留まり、水素の供給コストは据え置き、低炭素水素への移行では暗にブルー水素を許容した。日本は水素で世界をリードしてきたが、その面影は見えない。 
いろいろ探訪記

弓削神社の屋根付き橋@愛媛県喜多郡内子町

写真1 弓削神社の池に架かる屋根付き橋(愛媛県喜多郡内子町石畳) JR予讃線の松山駅から特急電車で約30分、内子駅から北に向かって田丸橋を通り越してタクシーで約40分、愛知県喜多郡内子町石畳の弓削神社に到着しました。神社の参道である通称「太...
自動車

電気自動車(EV)の販売動向

2022年の世界の乗用車用プラグイン電気自動車(BEV+PHEV)の販売台数は、前年比55%増の1,020万台に達した。また、世界主要62カ国・地域で販売された2022年の電気自動車(BEV)の販売台数は前年比70%増の726万台で、着実にEVシフトが進んでいる。一方、国内では軽自動車を軸にBEV普及が進み、2022年のBEV販売台数は前年度比3.1倍の7.72万台に増えた。しかし、BEVが乗用車全体に占める割合は2.1%(前年度は0.72%)に留まり、20%に迫る中国や欧州に比べて、国内でのBEVの広がりは遅れている。
自動車

水素エンジン車の開発動向(Ⅲ)

水素エンジンは、水素エンジン自動車に留まらず水素エンジンバイク、水素エンジン発電機へとその応用範囲は広い。しかし、水素エンジンは単に燃料のガソリンを水素に置き換えるだけでなく、水素タンクを含めた幾つかの開発課題が内在している。持続可能な真のカーボンニュートラルを目指すためには、エネルギー効率は重要課題である。競合する水素エンジン、燃料電池、合成燃料(e-fuel)について使い分けは可能であろうか?
自動車

水素エンジン車の開発動向(Ⅱ)

1970年 、武蔵工業大学(現東京都市大学)が、水素燃料でレシプロエンジンを駆動し、1975年、液体水素燃料で米国 SEEDラリー出場 して2800kmを走破した。2006年、マツダはロータリーエンジンの「RX-8ハイドロジェンRE」をリース販売した。デュアルフューエルシステム採用で、水素とガソリンのどちらでも走行できる。
自動車

水素エンジン車の開発動向(Ⅰ)

水素エンジン車の基本構造はガソリンエンジン車と同じで、水素を燃料とする点が異なる。燃料電池を搭載し、水素を燃料として発電してモーターを回す燃料電池車(FCEV)とは全く異なり、既存の部品や技術を大幅に活用できるメリットがある。水素エンジン車では単に燃料のガソリンを水素に置き換えるだけでなく、幾つかの重要な開発課題が内在している