自動車

次世代自動車燃料の取り組み(Ⅰ)

経済性の観点から、現状のガソリン車やディーゼル車が、一挙にBEVやFCEVに転換するとは考えられていない。特に、新興国を中心として従来のガソリン車やディーゼル車を利用しつつ、低環境負荷のバイオ燃料(Biofuel)や合成燃料(e-fuel)を使用する移行期間が存在するであろう。一方、米国、ブラジル、EUを中心にバイオ燃料の生産量は急速に伸びているが、現状は製造原料が食料と競合する「第一世代のバイオエタノール」が主流である。食料と競合しない第二世代のセルロース、第三世代の藻類の開発が始まっているが、合成燃料e-fuelと共に低コスト化が大きな課題である。
いろいろ探訪記

銀色に輝く巨大女人像「Motherland」@キーウ

ウクライナの首都キーウのホテル・ウクライナ(Michael Huber Ukraine)を出発し、ドニプロー河沿いの高台にある緑地帯を下流方向に小一時間も歩くと、11世紀に建てられたロシア正教・ペチェールシク大修道院に着きますが、その少し先に大祖国戦争博物館があります。地下壕のような博物館の上には、祖国記念碑として剣と盾を掲げた銀色の巨大な女人像が建てられています。
エネルギー

アンモニア燃料の供給量拡大

欧米は究極のクリーンエネルギーであるグリーン水素を目標にまい進している。そのため、火力発電へのアンモニア燃料の動きは、日本だけが特出している。実現には、膨大な量の燃料アンモニアを、低コストで安定的に入手可能な市場形成とサプライチェーン構築が必須である。『ガラパゴス化?』とならない注意が重要である。
エネルギー

クリーン水素の製造拡大(Ⅱ)

再生可能エネルギの電力を使い水電解で水素を製造する方法は、製造段階からCO2が発生しないためグリーン水素が製造できる。そのため、アルカリ水電解法と固体高分子型水電解法による低コスト化技術開発が進められているが、日本は量産化時期で欧州に大きく出遅れた。一方、化石燃料由来の水素やアンモニアは製造時にCO2を排出するが、政府は当面は支援対象とし、将来的にCCUSなどでCO2排出量の実質ゼロを確約するなどの条件設定を進める。今後、水素サプライチェーン全体を見ての低コスト化が大きな課題である。
エネルギー

クリーン水素の製造拡大(Ⅰ)

グレー水素の製造過程で出るCO2を除去したものはブルー水素(製造コスト:2ドル/kg以下)と呼ばれ、日本は本命視している。欧州のグリーン水素とは一線を画した動きであるが、水素社会への第一歩を踏み出すためには必要なステップでもある。2023年4月、国際エネルギー機関(IEA)は、製造された水素が「クリーン」か否かを示す指標を示した。化石燃料を原料とするブルー水素でも、CO2を分離回収すればクリーンとみなす。水素エネルギーは脱炭素社会の実現には不可欠で、世界共通の基準作りで企業が投資しやすい環境を整備する。
いろいろ探訪記

中国トップの清華大学@中華人民共和国・北京市

北京市の中心部である王府井から北西方向に向けタクシーで約40分、清華大学に到着致しました。観光地として著名な頤和園(いわえん)の東側にあります。「文系の北京大学、理系の清華大学」と並び称される中国トップの総合大学で、胡錦涛、習近平の出身校としても有名ですね。
いろいろ探訪記

大国主大神が鎮まる出雲大社@島根県出雲市

昔は、杵築大社きづきのおおやしろと呼ばれていました。杵築大社の巨大神殿の造営に関わる伝承は多く、「古事記」(712年)や「日本書記」(720年)には、大国主大神から天照大神への国譲りの神話伝承として書かれ、大国主大神が鎮まる神殿として天照大神の子孫が造営したとのことです。
航空機

加速する国内でのSAF製造

国内ではIHI、ユーグレナに次いで、新たに本田技研工業がSAF製造に手を上げた。バイオエタノールの製造を進める日本製紙、王子HDも、SAFの商用生産を目指している。一方で、石油元売り各社は各地域の需要を見極め、どの製油所でどのような燃料を製造するかの検討を進めている。コンビナートや電力会社が多い地域はアンモニア需要が高く、鉄鋼会社が多い地域は水素需要が高い。もちろん、空港近辺ではSAF需要が高くなる。
船舶

三菱造船のエンジニアリング事業

世界の造船業界では中国のシェア(新造船受注量ベース)が2021年に45%、韓国が39%と圧倒的に強く、日本は12%に留まる。2000年代に入り、低価格競争で中国・韓国勢との競合に敗れ、国内造船メーカーは事業規模の大幅縮小を進め、三菱造船はエンジニアリング事業に力点を移している。
エネルギー

再エネで注目ガスエンジン発電所

再生可能エネルギーの導入拡大に対し、電力貯蔵システムと系統連系による需給調整が十分に行えない現状において、電力の需給調整には火力発電が大きな役割を担っている。従来、自家発電や非常用電源などの分散型発電システムとして使われてきた大型ガスエンジンが、その優れた起動性と部分負荷運転でも高い発電効率を維持することから、電力の需給調整力の向上を目的とした導入が行われている。しかし、脱炭素社会への過渡的手段であることを忘れてはならない。