水素基本戦略の改訂について(Ⅰ)
2023年6月、日本は「水素基本戦略」を6年ぶりに改定した。国内の水素製造と海外からの水素購入を合わせて、2040年までに1200万トン/年に拡大する目標を新たに設定し、官民合わせて今後15年間で15兆円の投資を行うとした。今回の「水素基本戦略」の改訂では、新たな目標・基準を設定したかに見えるが、水素の供給目標は2040年の中間目標値を示すに留まり、水素の供給コストは据え置き、低炭素水素への移行では暗にブルー水素を許容した。日本は水素で世界をリードしてきたが、その面影は見えない。