再エネ

相次ぐバイオマス発電の火災事故

近年、複数の発電所において、バイオマス燃料を貯蔵する設備周辺で火災事故が発生している。その原因の多くは輸入木質バイマス燃料の粉塵にあり、電気設備や搬送設備の高温部と接触することによる発火、あるいは自然発酵や可燃ガス発生による発火が起きている。単なる木くずのボヤと侮あなどってはいないだろうか? 住民の反対運動にまで炎が広がらないよう、早急な輸入木質バイマス燃料の品質管理の徹底を進める必要がある。
原子力

次世代原子力(新型炉)の開発現状(Ⅳ)

マイクロ炉に関してはウルトラ・セーフ・ニュークリアの小型高温ガス炉「MMR」がカナダでの初号基設置に向け、BWXテクノロジーズの超小型高温ガス炉「BANR」は米国防総省(DOD)「プロジェクトPele」でアイダホ国立研究所内設置に向けて開発が加速されている。また、テラパワーとGE日立・ニュクリアエナジーは、商業用発電・エネルギー貯蔵システム「Natrium」の開発を日米協力により着実に進めている。
原子力

次世代原子力(新型炉)の開発現状(Ⅲ)

2020年前後から、米国では原子炉開発に多くの予算が投じられ、少なくとも7基が2020年代末の運転開始をめざして開発を加速している。実績のある小軽水炉(SMR)から、各種の新型炉に至るまで、いずれも大手原子炉メーカーやスタートアップによる民間企業中心の開発である。
原子力

次世代原子力(新型炉)の開発現状(Ⅱ)

非軽水炉型の新型炉の多くでは、従来の軽水炉用の核燃料よりもウラン濃縮度を増した「HALEU燃料」の使用が検討されている。しかし現在、HALEU燃料の製造をロシア国営企業ロスアトムの系列企業が独占しているため、核燃料の脱ロシア化が欧米を中心に始まっている。
原子力

次世代原子力(新型炉)の開発現状(Ⅰ)

世界の原子炉開発は、「第1世代と呼ばれる黎明期の原子炉」に始まり、「第2世代である現行の軽水炉など」が続き、現在導入が始まっている「第3世代と呼ばれる改良型軽水炉など」へと進められてきた。小型軽水炉(SMR)は、第3+世代に位置付けられている。2005年2月に、「第4世代の原子力システムの研究及び開発に関する国際協力のための枠組協定」が締結され、2030年代の商業導入を目指して13カ国+1機関により、「新型炉」の開発が進められている。
原子力

小型軽水炉「SMR」の開発現状(Ⅳ)

日本は「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」で、海外のSMR実証プロジェクトとの連携で、2030年までにSMR技術の実証を目指すとしている。また、文部科学省と経済産業省が原子力イノベーション促進(NEXIP)イニシアチブ事業を行い、SMR実証炉を開発する民間企業等を支援している。2022年7月、経済産業省が示した工程表では、小型軽水炉について、2030年代から国内で機器の製造・建設を始め、2040年代に実証運転を開始する目標を掲げている。
原子力

小型軽水炉(SMR)の開発現状(Ⅲ)

英国ではロールス・ロイスが主導する企業連合が、「UK-SMR」と呼ばれるPWR型の小型軽水炉を開発中である。ロシアでは、国営原子力総合企業ロスアトムが、世界初の海上浮揚式原子力発電所の「アカデミック・ロモノソフ号」を開発・建造した。中国核工業集団公司(CNNC)は海南省の昌江原子力発電所で、国産のPWR型SMR実証炉「玲瓏一号(ACP100)」の建設開始を発表した。
原子力

小型軽水炉(SMR)の開発現状(Ⅱ)

現在、米国では多くの原子炉メーカーが、小型軽水炉(SMR)の開発を進めている。中でも、ニュースケール・パワーの「VOYGR」、ホルテック・インターナショナルの「SMR-160」、GE日立・ニュークリアエナジーの「BWRX-300」は、国内外において様々な実現可能性の検討が進められている。しかし、小型軽水炉(SMR)開発で先頭を走るニュースケール・パワーは、2023年11月にアイダホ国立研究所(INL)で2029年の稼働を計画していた初号基「VOYGR-6」について、経済性が見込めないとの理由で建設中止を発表した。
原子力

小型軽水炉(SMR)の開発現状(Ⅰ)

欧米では1979年のスリーマイル島原発事故以降、原発の新規建設が途絶え、2011年の福島第一原発事故により、日本も原発の新規建設が中断された。現在、世界の原子力市場は中国とロシアが主体となっており、米国、カナダ、英国などが「小型モジュール炉(SMR)」で原子力分野の巻き返しを図っている。国内では、福島第一原発事故を教訓として安全性を高めた大型商用炉「革新軽水炉」の開発に軸足を置いたが、欧米では「小型モジュール炉」に注目が集まった。すなわち、原子炉をモジュール化して工場内で組み立て、ユニットとして輸送・設置することで、安全性と経済性を両立させ、多目的用途を目指している。
再エネ

浮体式太陽光発電の現状(Ⅲ)

大手電力会社が管理する水力発電所のダム湖への大規模な浮体式太陽光発電の設置は、送電系統も含めて最も適した設置形態といえる。今後の、設置拡大が期待される。しかし、大規模太陽光発電所(メガソーラー)を拡大するにあたり、大量の太陽光パネルを輸入することになる。しかし、昨春以降の急激な円安に加えて世界的なインフレの影響で、メガソーラーの建設コストの増大は明らかであり、国内でのサプライチェーンの再構築が必要である。