2023年度の一次エネルギー供給は17,550PJで、前年度比で4.1%減少した。内訳はシェア80.8%の化石燃料が14.186PJで7.0%減少し、シェア19.2%の非化石燃料が3.364PJで10.6%増加した。2023年度の最終エネルギー消費は11,476PJで前年度比3.0%減少し、若干の凸凹はあるが2005年度をピークとして年々減少している。
最終エネルギー消費
最終エネルギー消費の減少傾向
日本の最終エネルギー消費は2005年度をピークに、年々減少傾向を示している。政府はこれを「省エネ効果」と呼んでいるが、少なくとも2010年以降のエネルギー消費量の低下には国内産業停滞の影響が含まれていることに注意が必要である。
2023年度の最終エネルギー消費は11,476PJで、前年度比3.0%減少した。内訳は都市ガスが4.1%減、石炭が4.0%減、石油が2.9%減、電力が2.5%減であった。2020年からの新型コロナウイルス感染拡大以前のエネルギー消費傾向に戻りつつある。
2023年度の最終エネルギー消費に占める化石燃料(石炭、石油、天然ガス・都市ガス)のシェアは65.08%と高く、非化石燃料(電力、熱、再生可能・未利用エネルギー)のシェアは34.97%である。
部門別の最終エネルギー消費
2023年度の最終エネルギー消費の部門別シェアでは、企業・事業所他部門が61%、運輸部門が15%、家庭部門が24%を占め若干の変化が表れている。すなわち、企業・事業所他の生産活動の一部が、家庭でのテレワークなどに移行する傾向である。
しかし、前年度比増減は、企業・事業所他部門が前年度比3.5%減少(うち製造業は3.7%減少)、家庭部門も4.4%減少、運輸部門が0.6%微減(旅客が0.6%減、貨物が0.4%減)で、いずれの部門でも減少となった。
電力消費は、企業・事業所他が2.5%減(うち製造業は2.9%減)、家庭が2.7%減となっており、若者の車離れや人口減などの影響を受けた製造業の生産活動停滞の影響が出ており、家庭でもテレワークの実施率低下や節エネが進められた結果と考えられる。
政府は、将来的に人工知能(AI)の普及に伴うデータセンターや半導体工場の稼働によるエネルギー消費の増加を見込んでいるが、現時点ではその影響は見えてこない。
2023年度の最終エネルギー消費の部門別シェアの詳細からは、企業・事業所他部門の61%の中でも製造業が42.0%と高く、運輸部門では旅客部門13.9%と貨物部門10.3%と均衡している。
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