図1には、1967年に発行された「交通の図鑑」に掲載された未来の交通を示す。1957年に原子力の軍事利用への転用を防止するための国際原子力機関(IAEA:International Atomic Energy Agency)が設立され、世界的に原子力の平和利用が喧伝されていた時代に予測された未来の交通である。
「未来の空港です。原子力燃料で飛ぶ大型旅客機が、空港から飛び立っていきます。遠くでは、つぎつぎにロケットが発しゃされています。郵便や貨物も、ロケットではやく運べるようになりました。空港に行ききする航空機は、すべて、コントロール・タワー(管制塔)からの指令どおりに発着しますから、混乱することはありません。すべてが、速く、安全に、快適に動いています。」
出典:山中忠雄ほか3名、小学館、1967年5月発行
航空機のコントロール・タワー(管制塔)による統制は実現されている。しかし、「原子力燃料で飛ぶ大型旅客機」や「郵便や貨物も、ロケットではやく運べる」は、今日では誰もが馬鹿げた話と一蹴するであろう。未来予測は難しい。
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