鉄道

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鉄道の未来予測

ゼロエミッション気動車の実現に向けては、現行の蓄電池性能の観点から、高効率のハイブリッド電動車(HET)を経て、短距離走行向けには蓄電池電動車(PET)の実用化が始まっている。また、長距離走行向けには燃料電池電動車(FCET)の実証試験が始まっている。一方で、長距離走行向けには、ディーゼル・エレクトリック気動車に代り、バイオ/合成燃料電動車の実証試験も始まっている。今後、燃料電池電動車(FCET)とバイオ/合成燃料電動車については、経済性の観点からの選択が進められる。
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赤字ローカル線再編の動き

国土交通省によると、2021年度時点で地域鉄道事業者95社のうち96%は赤字経営である。そのため、2023年10月に赤字続きのローカル線の存廃議論を促す「改正地域公共交通活性化再生法(地域交通法)」が施行された。今後、再構築協議会が設置され、案件ごとに国土交通省、地元自治体、鉄道事業者の他に有識者らの参加し、持続可能な交通機関の選択が議論される。第一号はJR西日本の芸備線である。
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鉄道分野の脱炭素化(Ⅴ)

ディーゼル・エンジンの代わりに燃料電池を電力供給源とするのが燃料電池電動車(FCET:Fuel Cell Electric Train)である。燃料電池と燃料タンク、蓄電池、電動機で構成され、減速時に発生した回生電力を蓄電池に貯めて再利用する。都市近郊での導入が進められている蓄電池電動車では対応できないローカル線での遠距離運行が可能である。
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鉄道分野の脱炭素化(Ⅳ)

電池電動車(BET)は、電化区間ではパンタグラフを上昇させ、架線からの給電を受けて走行しながら、同時に主回路用蓄電池への充電を行う。非電化区間では、パンタグラフを降下させ、車両に搭載した主回路用蓄電池からの電力のみで走行する。都市近郊での導入が進められている。
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鉄道分野の脱炭素化(Ⅲ)

シリーズ・ハイブリッドは電気式気動車(EDT)に蓄電池を搭載したもので、減速時に走行用の電動機が発電機として機能し発生した回生電力を貯めることができる。蓄電池に貯めた電力は、次に加速する際の電力供給源となる。これがハイブリッド電動車(HET)の特長で、省エネ特性に優れている。
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鉄道分野の脱炭素化(Ⅱ)

ディーゼルエンジンで発電機を回し、電力のみを使い電動機で走るのが、ディーゼル・エレクトリック方式とも呼ばれる電気式気動車である。 旅客用車両では、2019年にJR東日本が「GV-E400系」、JR北海道も「H100形」を導入した。JR西日本でも2021年に「DEC700」を導入し、電気式気動車の本格導入に向けた試験を実施している。
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鉄道分野の脱炭素化(Ⅰ)

脱炭素社会の潮流を受けて、鉄道分野においてもCO2排出量削減の動きが始まっている。すなわち、自動車・航空機・船舶に比べて電化率が60~70%の鉄道分野では、JR各社が亜幹線・ローカル線を中心に運用する非電化区間のディーゼル動車を対象に、CO2排出量の削減を進めている。
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運輸部門と合成燃料「e-fuel」(Ⅲ)

EVシフトが進む自動車分野は、2030年時点でエンジン搭載車が91%残ると予測され、脱炭素燃料の供給が鍵となる。国際船舶分野では、重油から複数の脱炭素燃料への転換が計画されている。国際航空では、SAFの国内生産、サプライチェーン構築による安定供給体制の整備が検討されている。
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運輸部門と合成燃料「e-fuel」(Ⅱ)

液体合成燃料の製造で、再生可能エネルギー由来の水素を原料としたものが「e-fuel」である。発電所や工場などから排出されたCO2を回収(CCS)して使用する。将来的にはDAC技術で、大気中のCO2を直接分離・回収する。e-fuelの製造コストは300〜700円/Lと試算され低コスト化が大きな課題である。
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運輸部門と合成燃料「e-fuel」(Ⅰ)

運輸部門におけるCO2排出量の削減には輸送効率の改善が重要で、航空機、自家用乗用車、バス、自家用貨物車が対象として有効である。  現在、自家用乗用車、短距離用のバスや自家用貨物車は、EV化が急速に進められている。また、長距離用のバスや自家用貨物車のFCEV化が検討されている。一方、長距離用のバスや自家用貨物車、EV化やFCEV化が困難な航空機については、液体燃料の脱炭素化が選択肢の一つと考えられる。