火力発電

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次世代火力発電システムとは?(Ⅲ)

水素社会のエネルギーインフラを支える水素発電システムは、分散電源向けの家庭用・業務用の燃料電池発電システム、中小型水素ガスタービン、大規模発電所向けの大型水素ガスタービン、水素ガスエンジンの開発が進められている。主に家庭用は固体高分子型燃料電池(PEFC)、業務用が固体酸化物型燃料電池(SOFC)が商品化された。主に家庭用は固体高分子型燃料電池(PEFC)、業務用が固体酸化物型燃料電池(SOFC)が商品化されている。水素ガスタービンは、川崎重工業が中小型水素ガスタービンで2020年に水素専焼の実証試験中であり、三菱重工業は大型水素専焼ガスタービンの2045年市場投入を目指して開発中である。
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次世代火力発電システムとは?(Ⅱ)

先進超々臨界圧火力発電(A-USC)、炭ガス化コンバインドサイクル発電(IGCC)、石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)はいずれも石炭火力発電システムであり、今後の実用化にはCO2回収・貯留(CCS)装置の付帯が必須である。しかし、世界的に脱石炭火力発電所がメガトレンドとなっている現状において、長期間、膨大な費用をかけて開発されてきた次世代石炭火力発電の実用化は困難である。
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次世代火力発電システムとは?(Ⅰ)

高効率発電と低炭素化を目指し、経済産業省プロジェクトとして先進超々臨界圧火力発電(A-USC)、1700℃級の高温ガスタービン、石炭ガス化コンバインドサイクル発電(IGCC)、石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)、ガスタービン燃料電池複合発電(GTFC)が進められた。しかし、世界的に脱石炭火力発電所がメガトレンドとなっている現状において、次世代石炭火力発電の開発構想は、見直すべき時期である。
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バイオマス発電の相次ぐ中止・撤退?

2023年1月、バイオマス発電所の稼働停止が相次いでいると報じられた。間伐材を燃料として活用する地産地消型モデルは、①国内林業の停滞で調達が進まず、②アブラヤシやヤシ殻(PKS)など安価な輸入材への依存が強まり早々に崩壊した。加えて、ウクライナ侵攻に伴う③ロシア産木材の輸入減、④パーム油の価格高騰が追い打ちをかけた結果、主に輸入材に頼る大型の木質バイオマス発電所で採算悪化が生じている。
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COP27で「化石賞」の受賞とは

2022年11月9日、エジプトにおいて開催された第27回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP27)で、日本がトップバッターとして「本日の化石賞」を受賞した。国連の正式なイベントではないが、日本のイメージを大きく損なうものであることに間違いはない。この「本日の化石賞」とは、国際的な環境NGOネットワーク「気候行動ネットワーク(CAN)」が、気候変動対策に対して最も後ろ向きの国へ、皮肉を込めて贈る不名誉な賞である。日本はCOP25(スペイン)、COP26(英国)に続いて3年連続の受賞となる。
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火力発電に使われる燃料(Ⅳ)

電力会社を中心にアンモニア(NH3)は石炭との混焼実証が始まっている。NH3は水素と比較して専焼や混焼時の発電価格を抑えることが可能であるが、国内大手電力会社の全ての石炭火力発電で20%混焼を行うと、約2,000万トン/年のNH3が必要でサプライチェーンの構築が大きな課題となっている。
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火力発電に使われる燃料(Ⅲ)

水素の供給コストは氏0℃、1気圧の標準状態に換算して100円/Nm3程度と、液化天然ガス(LNG)の10倍近い。政府は水素とアンモニアを国内外で製造、海外から運搬する供給企業に対し、期間限定で差額の一部を補助する制度を検討している。それでも経済性の見通しは立たないのが現状である。
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火力発電に使われる燃料(Ⅱ)

バイオマスは生物起源による有機物資源である。これを燃焼(混焼あるいは専焼)させることで、従来の化石燃料と同様に火力発電システムを用いて電力を得ることができる。「カーボンニュートラル」が成立するため、地球温暖化対策に有効な再生可能エネルギーと位置付けられている。
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火力発電に使われる燃料(Ⅰ)

2020年の日本のエネルギー自給率は11.2%で、再生可能エネルギーと原子力発電による。残りは、石油、石炭、天然ガスなどCO2排出源となる化石燃料で、その多くは輸入に頼っている。現在、ウクライナ危機による急激な価格上昇に直面しており、今後、脱炭素化戦略の見直しが必要となる。
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火力発電のCO2排出量削減に向けた動き(Ⅲ)

第6次エネルギー基本計画で、2030年度の電源構成で総発電量に占める化石燃料発電の割合を大幅に抑制している。しかし、COP26では英国、フランスなどに加えて、ポーランド、ベトナム、チリ、韓国など総計46カ国・地域が石炭火力発電の廃止を目指すことで合意したが、米国、日本、中国、インド、オーストラリアなどは石炭火力発電の廃止を表明しなかった。今後、高効率火力発電が採用されるためには、経済性に優れたCO2回収・貯留(CCS: Carbon dioxide Capture and Storage)設備の付帯が不可欠となる。