エネルギー

原子力

事故耐性燃料の開発(Ⅱ)

福島第一原発事故の経緯から、燃料被覆管には「高温水や水蒸気との酸化発熱反応が起き難い材料として水素発生速度を遅らせ、より耐熱性に優れた材料とする」こと、燃料自体にも「燃料中心温度の低下や、放射性物質の保持性能を向上させる」ことが、事故耐性燃料(ATF)の基本概念として提案された。2018年、経済協力開発機構/原子力機関(OECD/NEA)の軽水炉に関するATF専門家グループ(EGATFL)による会合(2014~2017年)で、ATF候補概念が検討され候補材料が示された。
原子力

事故耐性燃料の開発(Ⅰ)

2011年3月、東京電力福島第一原子力発電所では、東日本大震災の津波を受けて「炉心溶融」という重大事故(SA:Severe Accidentt)を引き起こした。原子炉建屋の一部が水素爆発で吹き飛び、多量の放射性物質を大気中に放出した。今でも損傷した炉心の冷却を続けており、高レベル汚染水を排出し処理を続けている。このような重大事故を二度と起こさないために、各国ではプラントメーカーと協力して様々な安全対策を打ち出し研究開発を進めている。中でも、「事故耐性燃料(ATF:Accident Tolerant Fuel)」の開発は世界的なトレンドとなり、2030年以降の早期実現をめざして開発が進められている。
火力発電

都市ガスの合成メタンへの切り換え(Ⅹ)

政府は 「2050年カーボンニュートラル」の実現に向けて、国内のガス事業分野では既存インフラを活用できる「合成メタン」を社会全体で活用することを想定している。また、水素やバイオガスも適材適所で利用を進め、エネルギー全体の最適化をめざす。キーとなるのは、メタネーション技術である。
火力発電

都市ガスの合成メタンへの切り換え(Ⅸ)

政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現」に向け、グローバルなサプライチェーン構築は不可欠である。そのため、東京ガス、大阪ガス、東邦ガスなどを中心に商社が加わり、合成メタン(e-メタン)のサプライチェーン構築に向けたプロジェクトが国内外で進み始められている。
火力発電

都市ガスの合成メタンへの切り換え(Ⅷ)

合成メタンは、再生可能エネルギーによる①グリーン水素の製造、工場や発電所から②CO2を回収貯留して原料とし、③メタネーション技術で合成される。この①②③の観点から、大手商社が様々な活動を進めている。一方で、大手商社では合成メタンだけでなく、バイオメタンや合成燃料(e-fuel)の導入に向けて幅広い活動も進めている。
火力発電

都市ガスの合成メタンへの切り換え(Ⅶ)

バイオメタンは、下水汚泥や生ごみ、家畜ふん尿などバイオマス由来のバイオガス(CH4:60%、CO2:40%)から、CO2を分離・精製したガスである。東京ガスと大阪ガスは、メタン生成菌による生物反応によりCO2とH2をメタンに変換するバイオメタネーションの開発を進めている。また、大阪ガスはバイオガス中のCO2を原料として生物反応によりメタネーションする技術や、バイオガスから生物反応や化学反応により合成メタンを製造する技術の開発も進めている。 
火力発電

都市ガスの合成メタンへの切り換え(Ⅵ)

次世代メタネーション技術は、水素(H2)と水(H2O)を原料とし、80℃程度で固体高分子電解質膜(PEM)水電解装置によるPEM型メタネーション技術と、水素(H2)と水蒸気(H2O)を原料とし、800℃程度で固体酸化物型電解セル(SOEC)水電解装置によるSOEC型メタネーションによるメタン(CH4)合成が中心である。
火力発電

都市ガスの合成メタンへの切り換え(Ⅴ)

サバティエ反応メタネーション装置は、サバティエ反応(CO2+4H2→ CH4+2H2O)に基づくもので、INPEX/大阪ガス、カナデビア(旧日立造船)、IHI、デンソー、アイシン、日本特殊陶業、豊田自動織機などが、メタネーション装置を商品化・開発している。
火力発電

都市ガスの合成メタンへの切り換え(Ⅳ)

既に、水素(H2)と二酸化炭素(CO2)を原料とし、触媒(Ni、Ruなど)を用い、500℃程度で熱化学反応でメタンを合成するサバティエ反応メタネーションが開発され実用化されている。再生可能エネルギーの電力を使いメタンを合成するサバティエ反応メタネーションの変換効率は55~60%である。最近は、水(H2O)とCO2を原料とし、電気化学反応により80℃程度のPEM型メタネーションで変換効率70%超、800℃程度のSOEC型メタネーションにより変換効率85~90%をめざす開発などが行われている。
火力発電

都市ガスの合成メタンへの切り換え(Ⅲ)

既に、水素(H2)と二酸化炭素(CO2)を原料とし、触媒(Ni、Ruなど)を用い、500℃程度で熱化学反応でメタンを合成するサバティエ反応メタネーションが開発され実用化されている。再生可能エネルギーの電力を使いメタンを合成するサバティエ反応メタネーションの変換効率は55~60%である。最近は、水(H2O)とCO2を原料とし、電気化学反応により80℃程度のPEM型メタネーションで変換効率70%超、800℃程度のSOEC型メタネーションにより変換効率85~90%をめざす開発などが行われている。