エネルギー

原子力

革新軽水炉はいつ稼働するのか?(Ⅲ)

一口で原発といっても世界では多くの型式の原発が開発されている。日本で商用化されているのは原子炉容器内で原子炉冷却材である軽水が沸騰状態で使用される沸騰水型軽水炉(BWR)と、沸騰しないように加圧して使用される加圧水型軽水炉(PWR)の2種類である。
原子力

革新軽水炉はいつ稼働するのか?(Ⅱ)

2023年4月、宣言通りにドイツが「脱原発」を完了した。一方で、欧州の多くの国ではエネルギー安全保障を強化するため「脱ロシア」を念頭に置き、原発回帰の動きが活発化している。また、米国では35年振りに新規建設の原発が本格稼働を開始した。しかし、欧米での原発新規建設には、安全対策や様々なトラブルのために、想定外の工期延長と建設費用の高騰が生じている。
原子力

革新軽水炉はいつ稼働するのか?(Ⅰ)

2011年の福島原子力発電所事故により、原子力発電所の新規建設は急減し、その後、新興国における新規建設と先進国における経年炉の廃炉とがほぼ同等の状態が続いてきた。 2020年代に入るとCO2排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」が国際的な課題となる中で、原子力発電を再評価する動きが出てきた。世界原子力協会(WNA)の原子力発電所運転実績レポート2023では、2022年の原子力発電量は合計2兆5,450億kWhで、2021年よりも1,000億kWh程減少したが、6年連続で2兆5,000億kWh以上を発電している。
再エネ

再生可能エネルギーの未来予測(Ⅵ)

老朽化した中小水力発電設備の補修やリプレースは、発電事業者には大きな費用負担であり、事業からの撤退の原因ともなっている。政府は既存設備のリパワーリングやリプレースによる高効率化を積極的に推進し、発電電力量の増大を図るための仕組み作りを行う必要がある。また、中小水力発電の導入拡大に関しては、地方自治体任せになっていないだろうか? 開発初期での流量調査や測量に関するコストが増大しており、今後、気候変動による流水量の変化を含め、政府としての積極的な支援により調査を進め、新規地点の開発を促進する必要がある。
再エネ

再生可能エネルギーの未来予測(Ⅴ)

本来、バイオマス発電は地産地消の分散型電源として期待されていた。重要なのは、バイオマス発電の原点への回帰である。そのためには「国内林業の活性化」が不可欠である。当然のことながら、地道な「ごみ発電」による発電量の増加(回収率向上、設備更新)の努力も忘れてはならない。
再エネ

再生可能エネルギーの未来予測(Ⅳ)

政府は2030年までに総出力:150万kWの目標を掲げるが、中小規模のバイナリー・サイクル地熱発電所を地産地消の分散電源として拡大させることが必要である。既設の大規模地熱発電所は、経年的な発電効率の低下対策と、老朽化更新によるリパワリングの推進が喫緊の課題である。
再エネ

再生可能エネルギーの未来予測(Ⅲ)

2023年9月に露見した洋上風力発電を巡る国会議員の汚職事件は、贈賄の疑いがある日本風力開発だけでなく、業界団体の日本風力発電協会(JWPA)も関与が疑われ、洋上風力代表企業の三菱商事が同協会を退会するなど、混乱は拡大を見せている。本件に関しては事実の解明を早急に進め、洋上風力発電所の導入拡大に影響を与えてはならない。
再エネ

再生可能エネルギーの未来予測(Ⅱ)

実質的な対策を施さなければ、次世代太陽光パネルも安価な中国製に国内市場は席捲されるであろう。地政学的リスクも考え、国産のペロブスカイト型太陽電池の保護・構築に向け、政府は大きく政策転換を図り、早期の社会実装に向けてメーカー育成、ユーザーとの連携を図る必要がある。
再エネ

再生可能エネルギーの未来予測(Ⅰ)

第6次エネルギー基本計画で掲げられたエネルギーミックス(再エネ比率:36~38%)の実現に向け、「GX実現に向けた基本方針」では、再生可能エネルギーを主力電源と位置付け、最優先の原則で最大限に取り組むとしている。2030年の目標として太陽光発電が103.5~117.6GW、風力発電は陸上風力が17.9GWと洋上風力が5.7GWに対し、地熱発電は1.5GW、中小水力が10.4GW、バイオマス発電が8GWの目標が設定されている。変動性再生可能エネルギーの導入拡大により、今後、電力貯蔵の重要性がますます高まる。
火力発電

火力発電の未来予測

ゼロエミッション発電を実現するためには、現行のLNGコンバインド・サイクル発電を経て、送電ロス低減に有効な小型分散型電源には水素燃料電池(SOFC)、中型電源は水素タービン/水素エンジン発電、大型電源は水素コンバインド・サイクル発電を実現する必要がある。一方、バイオマス発電所は基本的にCO2排出量が実質ゼロとみなされるが、将来的にはCCS設備を付帯して大気中のCO2を減らすネガティブ・エミッション発電所として増設が期待される。