原子力

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次世代原子力(新型炉)の開発現状(Ⅶ)

フランスはCOP26において大型軽水炉(EPR)の建設再開を宣言し、原子力依存を電力供給の5割まで引き下げる方針(現在はおよそ7割)を事実上撤回した。  ロシア国営原子力企業ロスアトムは、MOX燃料を使い高速実証炉「BN-800」の営業運転を実施しており、鉛冷却高速炉のパイロット実証炉「BREST-300」の建設を開始した。中国では高温ガス炉「HTR-PM」が168時間の連続運転に成功し、世界初となる商業運転に移行した。また、 プール型ナトリウム冷却高速原型炉「CFR600」(電気出力:60万kW)の建設が最終段階に入っている。
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次世代原子力(新型炉)の開発現状(Ⅵ)

カナダは北部遠隔地域でのエネルギー源として小型軽水炉(SMR)と新型炉に注目しており、カナダ原子力研究所、3州(オンタリオ州・ニュー・ブランズウィック州・サスカチュワン州)への導入を推進している。  英国では、Rolls-Royce(ロールス・ロイス)が主導する企業連合が、小型軽水炉「UK-SMR」の開発を推進している。一方で、政府は先進モジュール炉(AMR)の開発に向け、TokamakEnergyの核融合炉、Westinghouse Electric Company UKの鉛冷却高速炉開発、U-Battery Developmentsの高温ガス炉を選定した。
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次世代原子力(新型炉)の開発現状(Ⅴ)

塩化物溶融塩高速炉はテラパワーとサザン・カンパニーの「MCRE」がアイダホ国立研究所内、液体金属高速炉はオクロの「Aurora」がオハイオ州南部、また、フッ化物塩冷却高温炉はケイロスパワーの「KP-FHR」がテネシー州オークリッジの東部テネシー技術パークでの設置に向け開発を加速している。
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次世代原子力(新型炉)の開発現状(Ⅳ)

マイクロ炉に関してはウルトラ・セーフ・ニュークリアの小型高温ガス炉「MMR」がカナダでの初号基設置に向け、BWXテクノロジーズの超小型高温ガス炉「BANR」は米国防総省(DOD)「プロジェクトPele」でアイダホ国立研究所内設置に向けて開発が加速されている。また、テラパワーとGE日立・ニュクリアエナジーは、商業用発電・エネルギー貯蔵システム「Natrium」の開発を日米協力により着実に進めている。
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次世代原子力(新型炉)の開発現状(Ⅲ)

2020年前後から、米国では原子炉開発に多くの予算が投じられ、少なくとも7基が2020年代末の運転開始をめざして開発を加速している。実績のある小軽水炉(SMR)から、各種の新型炉に至るまで、いずれも大手原子炉メーカーやスタートアップによる民間企業中心の開発である。
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次世代原子力(新型炉)の開発現状(Ⅱ)

非軽水炉型の新型炉の多くでは、従来の軽水炉用の核燃料よりもウラン濃縮度を増した「HALEU燃料」の使用が検討されている。しかし現在、HALEU燃料の製造をロシア国営企業ロスアトムの系列企業が独占しているため、核燃料の脱ロシア化が欧米を中心に始まっている。
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次世代原子力(新型炉)の開発現状(Ⅰ)

世界の原子炉開発は、「第1世代と呼ばれる黎明期の原子炉」に始まり、「第2世代である現行の軽水炉など」が続き、現在導入が始まっている「第3世代と呼ばれる改良型軽水炉など」へと進められてきた。小型軽水炉(SMR)は、第3+世代に位置付けられている。2005年2月に、「第4世代の原子力システムの研究及び開発に関する国際協力のための枠組協定」が締結され、2030年代の商業導入を目指して13カ国+1機関により、「新型炉」の開発が進められている。
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小型軽水炉「SMR」の開発現状(Ⅳ)

日本は「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」で、海外のSMR実証プロジェクトとの連携で、2030年までにSMR技術の実証を目指すとしている。また、文部科学省と経済産業省が原子力イノベーション促進(NEXIP)イニシアチブ事業を行い、SMR実証炉を開発する民間企業等を支援している。2022年7月、経済産業省が示した工程表では、小型軽水炉について、2030年代から国内で機器の製造・建設を始め、2040年代に実証運転を開始する目標を掲げている。
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小型軽水炉(SMR)の開発現状(Ⅲ)

英国ではロールス・ロイスが主導する企業連合が、「UK-SMR」と呼ばれるPWR型の小型軽水炉を開発中である。ロシアでは、国営原子力総合企業ロスアトムが、世界初の海上浮揚式原子力発電所の「アカデミック・ロモノソフ号」を開発・建造した。中国核工業集団公司(CNNC)は海南省の昌江原子力発電所で、国産のPWR型SMR実証炉「玲瓏一号(ACP100)」の建設開始を発表した。
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小型軽水炉(SMR)の開発現状(Ⅱ)

現在、米国では多くの原子炉メーカーが、小型軽水炉(SMR)の開発を進めている。中でも、ニュースケール・パワーの「VOYGR」、ホルテック・インターナショナルの「SMR-160」、GE日立・ニュークリアエナジーの「BWRX-300」は、国内外において様々な実現可能性の検討が進められている。しかし、小型軽水炉(SMR)開発で先頭を走るニュースケール・パワーは、2023年11月にアイダホ国立研究所(INL)で2029年の稼働を計画していた初号基「VOYGR-6」について、経済性が見込めないとの理由で建設中止を発表した。