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石炭火力でのバイオマス混焼問題(Ⅱ)

世界的な気候変動対策の強化により、2020年以降、欧州先進国を中心に「脱石炭火力発電所」が急速に進められている。米国は、石炭火力発電を低減して、豊富に産するシェールガスを燃料とするLNG火力発電への移行を進めている。「脱石炭火力発電」と「再生可能エネルギーシフト」で先頭を走る欧州では、環境NGOや専門家らが木材を原料とするバイオマス発電は、すべて再生可能エネルギーの枠組から除外すべきと訴え始めており、欧州委員会で活発な議論が始まった。
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石炭火力でのバイオマス混焼問題(Ⅰ)

現在、国内では「大型石炭火力発電所でのバイオマス混焼」が進められている。CO2排出量の削減対策も含めた電力安定供給のために重要な役割を果たしており、発電事業者の重要な収益源にもなっている。一方、海外先進国を中心に「脱石炭火力発電所」が進められており、国内外の環境NGOからは、日本が進める「大型石炭火力発電所でのバイオマス混焼」に関して否定的な意見が相次いでいる。なぜ石炭火力発電所でバイオマス混焼を行うのか?今後、バイオマス発電は、どのように展開するのか?環境NGOからの批判内容を明らかにして、バイオマス発電の未来を予測する。
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なぜか伸びない水力発電(Ⅷ)

「2050カーボンニュートラル」の実現に向け、既設の大水力発電所の「経年的な発電効率の低下対策」と「老朽設備の更新によるリパワリング」は喫緊の課題である。大手電力会社を巻き込んだ新設・更新の長期計画の策定とその遂行は不可欠である。一方、地産地消の分散電源として中小水力発電の期待度は高い。特に、小水力発電は研究開発段階にあるものも多く、固定価格買取制度による継続的な推進と支援が必要である。 
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なぜか伸びない水力発電(Ⅶ)

2012年7月に導入された固定価格買取制度(FIT)では、中小水力発電の買取価格が従来の3倍近くに設定されたことで、自家発電用の水力発電所を保有する企業が売電用水力発電所に大幅改修する動きが始まった。一方、小水力発電システムは、設備導入コストに比べて売電収入を十分に得られない場合がある。特に、低落差・少流水量の場合には発電量が不安定になり、長期の採算性に大きな影響を及ぼす。そのため、低落差・少流水量でも安定して発電できる各種の水力発電システムが開発が進められている。
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なぜか伸びない水力発電(Ⅵ)

2000年代に入り、欧米と日本における大規模水力発電所の開発はほぼ完了し、水力発電市場は豊富な水力資源を有する開発途上国の中国、インド、北米、ブラジル等の中南米へと移行した。そのため、水力発電システムのメーカー集約化が進み、オーストリアのAndritz(アンドリッツ)、米国General Electric(GE)、ドイツVoith hydro(フォイト)の欧米企業と、中国のハルピン電機集団と東方集団が、世界シェア上位を占める状況に至った。
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なぜか伸びない水力発電(Ⅴ)

FITにより水力発電の導入を推進する仕組みは徐々に出来上がったが、水力発電設備の累積導入量は頭打ちの状況にある。これはFITで推進している中小水力発電が出力:3万kW以下と小容量であり、総設備容量の約5000万kWに比べて寡少なためである。重要な問題点は、近年の水力発電電力量が減少していることである。最近では、2015年の871億kWhをピークに、それ以降は減少傾向を示し、第6次エネルギー基本計画の目標値である1023~1034億kWhの到達が見通せないことである。 (図10中の赤線が水力発電電力量)
いろいろ探訪記

五十鈴川に架かる宇治橋@三重県伊勢市

写真1 皇大神宮(内宮)側から見た宇治橋はケヤキの橋脚と橋桁の並びが美しい、白い高欄は総ヒノキ造り  近鉄宇治山田駅で下車し、駅前の三重交通のバスに乗り換えて約20分で「内宮前」に到着しました。伊勢神宮の内宮参拝が主目的ですが、その参道口に...
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なぜか伸びない水力発電(Ⅳ)

 政府は、大水力の開発はほぼ終了しているとし、「流れ込み式による3万kW未満の中小水力の開発」を目標に設定した。しかし、そもそも太陽光発電や風力発電に比べて、中小水力発電の導入ポテンシャル(開発余地)は圧倒的に少なく、増設が困難であったのか? 
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なぜか伸びない水力発電(Ⅲ)

中小水力発電の設備利用率は50~58%で、地熱発電の49%で、風力発電の約22%、太陽光発電の約15%と比べてはるかに高く、電力貯蔵を必要としない特長を有する。また、水車と発電機は国内で調達することが可能であり、純国産エネルギーと位置付けられ、エネルギー自給率の向上に貢献する。そのため、政府は中小水力発電の積極的な導入をめざして、河川の水利使用許可の手続き簡素化と河川流況データや利水計画の情報公開を進めた。
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なぜか伸びない水力発電(Ⅱ)

一般水力発電は燃料を必要とせず、調整池式や貯水式では昼夜・天候を問わずに24時間の発電運転が可能である。中小水力発電の設備利用率は50~58%で、地熱発電の49%で、風力発電の約22%、太陽光発電の約15%と比べてはるかに高く、電力貯蔵を必要としない特長を有する。また、水車と発電機は国内で調達することが可能であり、純国産エネルギーと位置付けられ、エネルギー自給率の向上に貢献する。また、中水力発電の発電コストは11円/kWhと安く、大規模なLNG火力発電の10.7円/kWhとほぼ同等である。