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再エネ

再エネ出力制御の問題(Ⅲ)

固定価格買取制度(FIT)により太陽光発電所が急増したことを受け、2015~2016年に北海道の南早来変電所(レドックスフロー電池)、宮城県の西仙台変電所(リチウムイオン電池)、福島県の南相馬変電所(リチウムイオン電池)、福岡県の豊前発電所(NaS電池)内に大型蓄電設備が配備された。蓄電設備は系統運用の安定化に優れていることが実証されたが高コストのため、2017年頃から北海道で蓄電設備併設太陽光発電所の設置が始まっているが、未だ限定的である。より大規模となる風力発電所に関しても蓄電設備併設(一部は蓄エネルギー設備)が検討されているが、試行錯誤の最中である。
再エネ

再エネ出力制御の問題(Ⅱ)

九州電力は事前に再エネ出力制御が起きることを十分に予想していたのである。そのため、九州電力は再生可能エネルギー発電事業者の多くと、出力制御をしても補償しないという電力会社に有利な条件の契約を交わし、他の大手電力会社もこれに追随した。しかし、再エネ出力制御を抑制するための抜本的な対策を施さずに、短期的な優先供給ルールの設定で満足したため、再エネ出力制御の常態化と再生可能エネルギー導入の頭打ちを招いているのである。
再エネ

再エネ出力制御の問題(Ⅰ)

電気は需要と供給のバランスがとれないと周波数が乱れ、大規模停電につながる恐れがある。再生可能エネルギーの供給量が増えると、電力会社は火力発電の出力抑制などの対応をとるが、それでも十分に対応できない場合は、太陽光や風力による電源を送配電網から遮断(買い取らない)する。出力制御は、2018年に九州電力管内で離島以外では初めて行われた。その後、北海道、東北、中国、四国、沖縄電力管内でも実施された。2023年2月、東京電力は再生可能エネルギーで発電した電気の受け入れを一時停止する「出力制御」を行う検討を進め、政府はこれを了承したのである。
再エネ

期待される洋上風力発電とは?(Ⅲ)

国内で高いポテンシャルを有する風力発電であるが、有力な風力発電機メーカー(三菱重工業、日立製作所など)が撤退し、安価な中国製風力発電機の導入が現実のものとなってきた。日本は2030年までに総出力:1000万kWの目標を掲げるが、海外メーカーが占める割合は高いレベルで推移することは間違いない。エネルギーセキュリティーの上で重大な問題である。
再エネ

期待される洋上風力発電とは?(Ⅱ)

政府は、2014年に洋上風力のFIT買取価格を36円/kWhと陸上風力の22円/kWhに比べて高めに設定すると共に、未だ導入事例の少ない洋上風力を対象に導入促進区域を指定した。すなわち、2019年12月に長崎県五島市沖、2020年7月に秋田県能代市・三種町・男鹿市沖、秋田県由利本荘市沖、千葉県銚子市沖、2021年9月に秋田県八峰町及び能代市沖、「田県男鹿市、潟上市及び秋田市沖、新潟県村上市及び胎内市沖、長崎県西海市江島沖を指定した。
再エネ

期待される洋上風力発電とは?(Ⅰ)

日本メーカーが開発で先行した太陽光パネルでは技術的な差異化が困難となり、中国勢のコスト競争力の前に大幅減産を強いられた。風力発電市場においても同じ轍を踏まないためには、他社にまねのできない技術的な差異化戦略を徹底することが求められた。日本の戦略は欧州勢が先行する「着床式洋上風力発電」に比べて費用対効果の大きい「浮体式洋上風力発電」を推進し、日本製風車を中心に国内市場を拡大する狙いであった。しかし、事業規模でまさる欧米メーカーにコスト競争で負け、国内有数の風力発電機メーカーが撤退したことで頓挫した。
航空機

航空機の機体へのサメ肌加工

サメ肌を模した微細なリブレット加工が、流体による摩擦抵抗の低減に効果的なことは良く知られている。航空機の機体表面へのリブレット加工の実証試験が、航空各社(ルフトハンザ、ANA、JAL)進められている。1~2%程度の燃費削減が可能な技術で、CO2削減にも有効とされている。今後のリブレット加工の適用拡大には費用対効果が鍵となる。記録を争う高速水着では、それなりの成果を上げたが、経済的に成り立たなければ航空機では採用されない。 
再エネ

風力発電所の相次ぐ中止・撤退!(Ⅲ)

高いポテンシャルを有する風力発電であるが、三菱重工業、日立製作所など国内有数の風力発電機メーカーの撤退が相次いでいる。そのため国内の風力発電設備の累積導入量は、海外メーカー製が73.3%を占めており、今後も海外メーカーが占める割合は高いレベルで推移する。陸上風力発電に関してはゴールドウィンド、シノベル、ドンファン、ユナイテッドパワーなど中国メーカーの安値攻勢が始まり、新市場を大型風車の洋上風力発電に求めたが、再編成が進み規模で先行する欧州メーカーとのコスト競争に負けた結果である。
再エネ

風力発電所の相次ぐ中止・撤退!(Ⅱ)

世界の風力発電の設備容量は、2010年頃から年平均成長率17%で急増し、2015年から12%に落ちたものの、2021年末時点で8億3745.1万kWに達している。内訳は、陸上風力が7億8027.5万kW、洋上風力が5717.6万kWである。高いポテンシャルを有するものの、日本の風力発電設備導入量は2021年末時点で452.3万kWであり、世界の導入量の約0.5%と、大きく出遅れているのが現状である。追い打ちをかけるように、2020年から風力発電所の相次ぐ中止・撤退が報告されている。
再エネ

風力発電所の相次ぐ中止・撤退!(Ⅰ)

海外では一般的に風力発電は太陽光発電よりも導入が進んでいる。しかし、日本では太陽光発電が国内の年間発電電力量の9.5%に達しているのに対し、風力発電は2011年度と比べると約2倍に増加したものの0.9%で、年間発電電力量では太陽光発電の1/10以下にとどまっている。一方、日本の陸上風力ポテンシャルは出力ベースで1億4376万kWで、国内の全発電設備容量の70%にも達する。また、洋上風力ポテンシャルは出力ベースで6億784万kWで、国内全発電設備容量を超えて294%にも達する。何故、導入が進まないのであろうか?