ポスト・リチウムイオン電池の動向(Ⅲ)
リチウム硫黄電池(LiSB)は、正極活物質に硫黄、負極活物質に金属リチウムを使用した蓄電池で、高エネルギー密度と低コストを両立できることで注目されている。しかし、充放電サイクル特性(サイクル寿命)が短いという課題があり、様々な対策が検討されているが、実用化には至っていない。また、全固体リチウム硫黄電池は、液体電解質の課題(樹脂状組織形成、漏液、可燃性など)を固体電解質に置き換えることで軽減でき、エネルギー密度をさらに高くできる可能性がある。しかし、研究は未だ初期段階にあり、実用化は2030年以降との見方が強い。