Secretariat office

はじめに

2050年カーボンニュートラル(Ⅱ)

エネルギー関連産業においてリストアップされたのは①洋上風力・太陽光・地熱、②水素・燃料アンモニア、③次世代熱エネルギー、④原子力である。国内のCO2排出量の37%を占める電力部門の脱炭素化は必須であり、再生可能エネルギーについては最大限の導入を目指す必要がある。そのためには系統整備、発電コストの低減、周辺環境との調和、出力変動の平準化のための蓄電池の活用が重要となる。2020年時点で総発電量の20%弱である再生可能エネルギーを、2050年には約50~60%への増設を目指す。
はじめに

2050年カーボンニュートラル(Ⅰ)

2021年6月、経済産業省が中心となり、関係省庁と連携して「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定した。それから3年を経過して枠組みの変更が進み、様々なグリーン・プロジェクトが発足している。もう一度、原点に戻ってグリーン成長戦略の中味を見直してみた。
自動車

EV充電時間の短縮を目指して(Ⅱ)

現在、世界のBEV急速充電器には、「日本のCHAdeMO(チャデモ)」、「中国のGB/T」、「EUと北米のCCS(コンボ)」、「テスラのスーパーチャージャー」の4規格が存在する。それぞれコネクタと車側インレットの形式、BEVと急速充電器間の通信方式に特徴がある。各規格にはそれぞれの開発経緯があるため、今後、急速に規格の統一が進むことはないであろう。 
自動車

EV充電時間の短縮を目指して(Ⅰ)

2016年以降に、BEV普及の目安とされた航続距離:320kmを超える新型BEVの市販が本格化した。搭載する蓄電池の大容量化が進められ順調に航続距離を伸ばす一方で、欧米を中心に充電時間の短縮化を図るために高出力の急速充電スタンドの設置が加速されている。欧米のEVメーカーは高コスト化とはなるが、充電時間をエンジン車の給油時間並みに短縮化して利便性を増す方向を目指している。
自動車

進まない充電スタンドの設置 

充電器の耐用年数は8年前後が目安であり、多くの充電スタンドは2010年代前半に国の補助金制度を活用して急増したもので、現在は耐用年数を迎えており、充電器設置総数は3万基で頭打ちの状態にある。政府の掲げる「2030年に15万基」の目標には遠く及ばない。現在、さらなる充電スタンド増設には国の補助金制度による後押しが不可欠な状況にある。今後、ガソリンスタンドへの併設など、安全対策を含めた法制化も必要である。
いろいろ探訪記

エルベ川に架かるロシュヴィッツァー橋@ドイツ・ドレスデン

ドイツのドレスデン中央駅からエルベ川沿いにタクシーで20分ほどさかのぼり、ロシュヴィッツァー橋(Loschwitzer bridge)に到着しました。全長 280m、最大支間長146.68m、幅12m、高さ24mで、総重量は約3,800トンの鋼製トラス橋で、部材はリベットにより結合されています。
原子力

福島第一原発の処理水海洋放出(Ⅳ)

東京電力は、ALPS処理水の海洋放出を行う際には、トリチウム以外の放射性物質の濃度が国の基準を満たすまで再浄化処理(二次処理)を行い、トリチウムの規制基準を十分に満たすよう海水で希釈して海洋放出すると公表している。政府には、処理水の海洋放出に関して風評被害を最小とする責務がある。
原子力

福島第一原発の処理水海洋放出(Ⅲ)

2014年10月以降、汚染水は「サリー」でセシウムやストロンチウムを除去した後、「淡水化装置」を経て、多核種除去設備「アルプス」により、汚染水に含まれている62種の放射性物質が除去されている。しかし、アルプスではトリチウムが除去されていない。 2020年12月、構内に全容量が約137万m3のタンクの設置が完了した。ALPS処理水の貯蔵タンク基数は1046基であるが、現在はタンク容量の98%に達している。
原子力

福島第一原発の処理水海洋放出(Ⅱ)

福島第一原発の事故では水素爆発で建屋が損傷し、炉内の燃料が溶け落ちて固まった燃料デブリが、今なお原子炉の底部に残っている。膨大な熱を発する燃料デブリは常に水で冷却し続ける必要があり、核燃料に直接触れることで高濃度の放射性物質を含んだ水、いわゆる高濃度汚染水となる。事故の1か月後には、この高濃度汚染水が海に流れ出していることが判明し、漏出経路の特定と遮断が最優先で進められた。
原子力

福島第一原発の処理水海洋放出(Ⅰ)

現在、福島第一原子力発電所からは、90トン/日の汚染水が発生する。これには地下水、海水、冷却水が含まれる。多核種除去設備(ALPS)でフィルター処理した水が、原発構内のタンクで保管されている。保管される処理水の量は130万トンを超え、保管場所がなくなりつつあると報じられた。そもそも、90トン/日の汚染水が発生するなら、すべてタンクに保管しても12年間で約39万トンである。何故、処理水の量が130万トンを超えているのか?