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火力発電

CO2回収貯留とその有効利用(Ⅰ)

日本のCO2排出量は約12憶トン/年である。資源エネルギー庁によると、2050年カーボンニュートラルを実現するには、CCSによるCO2貯留量を1.2億~2.4億トン/年にする必要があるとし、2030年までに600万〜1200万トン/年のCO2を地下貯留する目標を掲げている。火力発電所や製油所などからCO2を回収し、船舶やパイプラインで国内外に輸送して貯留する構想で、2023年度にはCO2回収設備の設計や貯留地域の選定に向けた調査が進められる。今後、CO2貯留適地調査を進めて周辺住民の同意を得ること、貯留したCO2の有効利用が大きな課題である。
火力発電

何故、日本は石炭火力で批判されるのか?(Ⅱ)

NGO/NPO団体の気候ネットワークは、「次世代石炭火力発電(IGCC)が、今後 10 年で石炭火力発電の国際的な成長の主要な役割を果たすことはないだろう」と報告している。また、英国のシンクタンクのTransitionZeroは、日本が推進するアンモニア混焼や石炭ベースの石炭ガス化複合発電(IGCC)によるCO2排出量の削減効果は寡少であり、再生可能エネルギー発電よりも高コストのため、脱炭素化の解決策としては適切でないと報告している。
火力発電

何故、日本は石炭火力で批判されるのか?(Ⅰ)

日本が石炭火力発電で批判されるのは、欧州を中心に先進諸国が石炭火力発電の抑制・廃止する中で、依然として石炭火力発電を推進し、発展途上国での建設支援を続けているためである。高効率石炭火力発電でも、高効率LNG火力発電(GTCC)の約2倍の温室効果ガスを排出することから、国際的な脱炭素化トレンドに逆行する。日本政府は2050年カーボンニュートラル実現を宣言しているが、石炭火力発電の抑制・廃止には後ろ向きである
火力発電

次世代火力発電システムとは?(Ⅳ)

アンモニア(NH3)は液化水素の 1.5 倍の体積水素密度を有し、国内では直接燃料として使用することが検討され、IHIと三菱重工業により有害な窒素酸化物(NOx)を出さない燃焼法が開発されている。一方、欧米は水素キャリア(運搬媒体)としてのアンモニア利用に着目しており、将来的にアンモニア燃料による発電を電源構成に盛り込んでいる先進国は、日本と韓国の2カ国にとどまる。
いろいろ探訪記

東寺の美麗な五重塔@京都市南区

京都駅で下車し八条西口から油小路通を南下、東寺通を西行して徒歩約15分、弘法大師(空海)の造営になる東寺を訪れました。高さ55mの五重塔の美麗な木組みには、圧倒されるばかりです。地震による倒壊の記録はなく、塔の中心の心柱が礎石に固定されておらず、制振ダンパーの役割を果たすと考えられています。
原子力

東電管内で夏の節電要請が始まった!

東京電力管内の家庭や企業を対象にした夏の「節電要請」が始まった。昨年に引き続き2年連続となる。政府は数値目標は設けずに、無理のない範囲での節電協力を要請している。今夏の節電要請は、東京電力管内だけが対象である。再生可能エネルギーの導入再拡大が必須である。最近になり停滞しているバイオマス発電、太陽光発電、地熱発電など再生可能エネルギーの再立ち上げが急務である
火力発電

次世代火力発電システムとは?(Ⅲ)

水素社会のエネルギーインフラを支える水素発電システムは、分散電源向けの家庭用・業務用の燃料電池発電システム、中小型水素ガスタービン、大規模発電所向けの大型水素ガスタービン、水素ガスエンジンの開発が進められている。主に家庭用は固体高分子型燃料電池(PEFC)、業務用が固体酸化物型燃料電池(SOFC)が商品化された。主に家庭用は固体高分子型燃料電池(PEFC)、業務用が固体酸化物型燃料電池(SOFC)が商品化されている。水素ガスタービンは、川崎重工業が中小型水素ガスタービンで2020年に水素専焼の実証試験中であり、三菱重工業は大型水素専焼ガスタービンの2045年市場投入を目指して開発中である。
火力発電

次世代火力発電システムとは?(Ⅱ)

先進超々臨界圧火力発電(A-USC)、炭ガス化コンバインドサイクル発電(IGCC)、石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)はいずれも石炭火力発電システムであり、今後の実用化にはCO2回収・貯留(CCS)装置の付帯が必須である。しかし、世界的に脱石炭火力発電所がメガトレンドとなっている現状において、長期間、膨大な費用をかけて開発されてきた次世代石炭火力発電の実用化は困難である。
火力発電

次世代火力発電システムとは?(Ⅰ)

高効率発電と低炭素化を目指し、経済産業省プロジェクトとして先進超々臨界圧火力発電(A-USC)、1700℃級の高温ガスタービン、石炭ガス化コンバインドサイクル発電(IGCC)、石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)、ガスタービン燃料電池複合発電(GTFC)が進められた。しかし、世界的に脱石炭火力発電所がメガトレンドとなっている現状において、次世代石炭火力発電の開発構想は、見直すべき時期である。
エネルギー

水素基本戦略の改訂について(Ⅲ)

日本の水素基本戦略の中核は燃料電池である。水素産業競争力強化で、多くのページを割いていることからも分かる。この燃料電池関連の戦略が失敗したことの真摯な反省に基づく戦略の見直しが必要である。「今後は乗用車に加え、より多くの水素需要が見込まれ FCV の利点が発揮されやすい商用車に対する支援を重点化していく。」とする水素戦略の改訂には、過去の反省が見られない。FCVをFCトラック等に書き換えただけでは、同じ失敗を繰り返す可能性が高い。。