原子力 何故、急速に高まる核融合熱!(Ⅲ) ITERは発電システムの検証を含まない核融合実験炉であり、ITER終了後に各国が原型炉を建設し、その後に商用炉に進む予定であった。しかし、ITERの大幅な建設遅れが原因で、EU、日本、韓国、中国は個別に原型炉(DEMO)の開発に向けて動いている。一方で、英国、米国においては核融合ベンチャーの誕生が相次いでおり、それぞれ独自の技術に基づいて開発が進められている。 2023.09.21 原子力
原子力 何故、急速に高まる核融合熱!(Ⅱ) 2023年7月、国際熱核融合実験炉(ITER)の建設が苦境に陥っていると報じられた。核融合を起こす真空容器の組み立て状況などに問題が見つかり、2025年の建設完成、2035年の核融合燃焼の実施が大幅に遅れる懸念が浮上している。総額5兆円にも迫る大プロジェクトである。2極化が進む国際情勢を鑑みると、今後の中国、ロシアなどの国際共同プロジェクトからの去就が心配される。 2023.09.20 原子力
原子力 何故、急速に高まる核融合熱!(Ⅰ) 世界的に異常気象を引き起こしている地球温暖化問題と、ロシアによるウクライナ侵攻に端を発した世界的なエネルギー危機を背景に、米国や英国を中心に次世代エネルギーの開発が加速されている。中でも、核融合の実用化は早くても2050年以降という予測が多かった中で、2024年にも核融合発電を始めるというベンチャー企業が出てきており、急速に注目度が上昇している。 2023.09.19 原子力
いろいろ探訪記 ケム川に架かる数学橋@英国ケンブリッジ ロンドン市内キングズ・クロス駅から鉄道を使い、1時間15分でケンブリッジ駅に到着。駅前からバスに乗り換えて約10分でクライスト・カレッジ傍のバス停に到着しました。5分程度歩くとクイーンズ・カレッジのケム(Cam)川に架かる数学橋(Mathematical bridge)が見えてきました。 2023.09.15 いろいろ探訪記
原子力 GX脱炭素電源法に関して(Ⅲ) GX脱炭素電源法(原子力)の大きな問題は、先に事実上60年超の運転を可能とした法律を策定し、これを実現するための規制が設定された点にある。原発の60年超の運転ありきで、法整備が行われたのである。科学的・技術的に安全性が担保されて、60年超の運転を可能としたのではないのである。 2023.09.13 原子力
原子力 GX脱炭素電源法に関して(Ⅱ) 原発の再稼働に向けて岸田首相が「国が前面に立ってあらゆる対応をとっていく」と強調したものの、関西電力の高浜1,2号機の再稼働は1か月遅れ、東北電力の女川2号機、中国電力の島根2号機は明確な進捗なしと、政府が大きく関与した兆候は認められない。政府の趣旨はいつの間にか、「原発再稼働」から「60年超の運転期間延長」へと切り替わった。 2023.09.12 原子力
原子力 GX脱炭素電源法に関して(Ⅰ) 政府は、昨年2022年6月の電力需要ひっ迫を起点に、同8月には来夏以降に向け「原発の更なる再稼働が重要だ」との認識を示し、岸田文雄首相は第2回GX会議(2022年8月24日)で「これまでに再稼働した原発10基に加え、来夏以降に追加で7基の再稼働を進める方針」を表明した。その半年後、2023年2月に、GX(グリーントランスフォーメーション)基本方針が閣議決定され、2023年5月にはカーボンプライシングの導入を含むGX推進法、原子力発電所の運転期間の60年超への延長を盛り込んだGX脱炭素電源法のGX関連法が相次いで成立した。 2023.09.11 原子力
原子力 始まった原発処理水の海洋放出(Ⅳ) 漁業関係者らが心配していた枠を超え、日本全国が影響を受ける大きな風評被害が押し寄せてきている。高を括くくっていた政府は批判されて当然で、なぜ想定以上の風評被害に至ったのかを反省し、煽あおるのではなく、風評被害の沈静化に向けた対策を強化する必要がある。一方、タンタンクが減れば、廃炉作業で発生する放射性廃棄物の保管などの敷地が確保できる。次は、遅れ気味となっている核燃料デブリの取り出しである。並行して膨大な量の放射線廃棄物の処理と、高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)の最終処分場を決める必要がある。まだまだ、先は見えない。 2023.09.07 原子力
原子力 始まった原発処理水の海洋放出(Ⅲ) IAEAの専門家は「ALPS処理水を海水で希釈して行う東京電力の海洋放出計画は、一般の原子力発電所からの排水基準に合致している」と報告しており、必ずしも安全性を担保している訳ではない。また、賛意を示す専門家もトリチウムの海洋放出を安全とはいっていない。十分に希釈するので影響は少ないといっている。一方、海洋放出を危惧する専門家は、放射性物質や生態系に関する影響評価が不十分なため影響は予測できないためとしている。 2023.09.06 原子力
原子力 始まった原発処理水の海洋放出(Ⅱ) 国内では処理水の海洋放出反対の抗議集会が各地で開催されている。また、福島県の住民や漁業関係者による国と東京電力に海洋放出停止を求めた訴訟が始まることが発表されている。近隣諸国からは、良好な外交関係を維持している国々からは、処理水の海洋放出には一定の理解を得たものの、中国、香港政府、マカオ政府からは水産物を中心に輸入禁止措置が発表された。 2023.09.05 原子力