Secretariat office

船舶

船舶の未来予測

ゼロエミッション船の実現に向け、蓄電池性能から小型船は電気推進船化が進められている。環境規制の厳しい欧州では、中型船のフェリーや旅客船も電気推進船化が始まっている。燃料電池推進船は、経済性とグリーン水素供給の問題から普及が遅れている。一方、より経済性が重視される主力の中大型船(ディーゼル電気推進船)は、ハイブリッド推進船を経て、LNG燃料船への転換が始まっている。今後、風力援用などの燃費向上策を実現しつつ、経済性が解決されれば水素燃料船あるいはアンモニア燃料船が実現される。
火力発電

火力発電の未来予測

ゼロエミッション発電を実現するためには、現行のLNGコンバインド・サイクル発電を経て、送電ロス低減に有効な小型分散型電源には水素燃料電池(SOFC)、中型電源は水素タービン/水素エンジン発電、大型電源は水素コンバインド・サイクル発電を実現する必要がある。一方、バイオマス発電所は基本的にCO2排出量が実質ゼロとみなされるが、将来的にはCCS設備を付帯して大気中のCO2を減らすネガティブ・エミッション発電所として増設が期待される。
エネルギー

進むネガティブエミッション技術(Ⅲ) 

DACCSは、大気中に含まれるCO2を直接吸着・吸収して回収し、貯留を行う技術で、大気中に含まれるCO2濃度は約0.04%と非常に低いため、大量の大気を効率よく処理する必要がある。そのためDAC設備の高効率化と低コスト化は必須課題であり、研...
エネルギー

進むネガティブエミッション技術(Ⅱ)

2020年代に入ると、急速にバイオマス発電所などへのCCS設備の導入が始まった。バイオエネルギーを使って炭素を回収・貯留するBECCSの1種である。基本的にバイオマス発電所はCO2排出量が実質ゼロとみなされるため、付帯されたCO2分離・回収(CCS)設備が稼働すれば、大気中のCO2を減らすネガティブ・エミッション(負の排出)発電所となる。具体的な、貯留・固定化については、様々である。
エネルギー

進むネガティブエミッション技術(Ⅰ)

近年、米国、EU、英国などを中心に、「大気中のCO2除去(CDR)」の必要性とそれを実現するためのネガティブエミッション技術(NETs)への取組方針が相次いで公表された。遅ればせながら、日本でも「2050年カーボンニュートラル(CN)の達成」にはNETsの導入拡大が必須とし、社会実装に向けた積極的な政策支援を進めると公表した。
自動車

自動車の未来予測

 ゼロエミッション自動車の実現に向け、現行の蓄電池性能の観点から、ガソリン車・ディーゼル車はハイブリッド車(HEV)を経て、小中型車(小型バス、小型トラックを含む)は電気自動車(BEV)に向かい、バス・トラックなどの大型車は燃料電池車(FCEV)化の方向が見えてきた。超大型車に関しては、水素エンジン車の可能性があるが、性能と経済性の両面から燃料電池車との比較が必要である。
自動車

運輸の「2024年問題」について(Ⅱ)

2023年10月、遅ればせながら、政府は「2024年問題」の緊急対策として、輸送手段を鉄道やフェリーなどに転換する「モーダルシフト」を進めることが報じられた。トラック輸送の代替手段を充実させて、運転者の負担軽減を図りつつ、2050年カーボンニュートラルを目指す。 政府は「物流革新緊急パッケージ」を取りまとめた。具体策は10月末までに岸田政権がまとめる経済対策にも盛り込まれ、2024年の通常国会での法制化を目指す。
自動車

運輸の「2024年問題」について(Ⅰ)

働き方改革関連法で、2024年4月から、自動車運転手の時間外労働の上限が年間960時間となる。労働時間が減ることで人手不足がますます深刻化し、都市部でもバス会社が路線の廃止や減便を余儀なくされている。また、物流業界でもトラック輸送量の大幅な減少が懸念されている。 「2050年カーボンニュートラル」を実現しつつ、懸念される「2024年問題」を乗り切るための方策はあるのか?
鉄道

鉄道の未来予測

ゼロエミッション気動車の実現に向けては、現行の蓄電池性能の観点から、高効率のハイブリッド電動車(HET)を経て、短距離走行向けには蓄電池電動車(PET)の実用化が始まっている。また、長距離走行向けには燃料電池電動車(FCET)の実証試験が始まっている。一方で、長距離走行向けには、ディーゼル・エレクトリック気動車に代り、バイオ/合成燃料電動車の実証試験も始まっている。今後、燃料電池電動車(FCET)とバイオ/合成燃料電動車については、経済性の観点からの選択が進められる。
鉄道

赤字ローカル線再編の動き

国土交通省によると、2021年度時点で地域鉄道事業者95社のうち96%は赤字経営である。そのため、2023年10月に赤字続きのローカル線の存廃議論を促す「改正地域公共交通活性化再生法(地域交通法)」が施行された。今後、再構築協議会が設置され、案件ごとに国土交通省、地元自治体、鉄道事業者の他に有識者らの参加し、持続可能な交通機関の選択が議論される。第一号はJR西日本の芸備線である。