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再エネ

洋上風力発電の現状(Ⅲ)

第一弾のFIT公募で、秋田県沖と千葉沖の3海域案件を落札したのは全て三菱商事連合で、他社に比べて大幅に安い供給価格を設定した。その結果、ヴェスタスは日本での工場建設を中止、シーメンス・ガメサは次回公募の見送りを表明した。入札で負けたヴェスタス、シーメンスが拠点戦略を変える可能性が高い。第二弾のFIP公募で、秋田県八峰町・能代市沖の4海域案件を落札したのは、伊藤忠商事、三井物産、住友商事の企業連合である。落札価格は3円/kWh以下が提示されたため、公募を中断して行われた政府によるルールの見直し(早期の運転開始)が勝敗に大きな影響を与えた。ただし、1海域案件のみ再入札となった。
再エネ

洋上風力発電の現状(Ⅱ)

欧米で起きている洋上風力の中止・撤退は、洋上風力発電を再生可能エネルギー拡大の切り札と位置付けている日本でも起きることは容易に予測できる。既に、国内の風車メーカー(三菱重工業、日立製作所など)は撤退しており、サプライチェーンの構築もこれからの日本である。一方、昨春から進んでいる円安に加えて、インフレの終焉も見通せない状態が継続している。果たして、計画通りに洋上風力発電の導入が進むのであろうか?国内動向を、少し振り返ってみよう。
再エネ

洋上風力発電の現状(Ⅰ)

2023年12月、アラブ首長国連邦ドバイで開催されたCOP28で示された「再エネ2030年までに3倍」の目標は、再生可能エネルギー普及の追い風となるであろう。しかし、新型コロナウイルス禍をきっかけとした世界的な供給網の混乱や資材価格の高騰に加え、米国中央銀行の利上げで資金調達コストが膨らんだことにより、洋上風力発電の採算割れによる開発計画の頓挫が起きている。果たして、日本の洋上風力はどうなるのか?
いろいろ探訪記

黒部川に架かっていた愛本橋@富山県宇奈月町

その昔、刎橋はねばしは加賀・越中・信濃・飛騨・木曽など国内各所において架橋されましたが、最大級のものは富山県宇奈月町の黒部川扇状地の扇頂部に1662年に架けられた越中の愛本橋えっちゅうのあいもとばしです。江戸時代に架橋された甲斐の猿橋、防州の錦帯橋と並び日本三奇橋の一つといわれています。
いろいろ探訪記

そそり立つ立岩@京都府京丹後市

北近畿タンゴ鉄道の網野あみの駅で下車、駅前からタクシーに乗車して、国道178号線で新間人たいざトンネルをくぐり、25分ほどで「立岩たていわ」が見えてきました。周囲1km、高さ20mに及ぶ巨石で、地下から貫入かんにゅうしてきた玄武岩質安山岩の溶岩が冷えてゆっくり固まったもので、垂直に柱状節理が伸びています。現在の立岩は、竹野たけの川から流れてきた砂で陸とつながった陸繋島りくけいとうになっています。竹野川の上流では、江戸時代に砂鉄の採集方法である鉄穴流しかんなながしが大規模に行われたとのことなので,それにより大量の砂が流されて、河口に砂州さすができたといわれています。
原子力

革新軽水炉はいつ稼働するのか?(Ⅶ)

政府が「脱炭素電源法」により既存原発の60年超運転を認めたことで、国民は過酷事故対策の施されていない原発の延長運転によるリスクを背負わされた。革新軽水炉を絵に描いた餅としないために、政府は電力会社と共に建て替える原発を明確にし、遅滞なく稼働させるため開発を促進する必要がある。
原子力

革新軽水炉はいつ稼働するのか?(Ⅵ)

革新軽水炉が2030年代中頃に稼働するために大きな障害となり得るのは、GX脱炭素電源法で原発の60年超運転を可能にした制度である。安全対策などで建設コストが1兆円規模となる革新軽水炉への建て替えに対して、電力会社は1千億円規模で済む従来原発の運転延長を選択する可能性が高い。
原子力

革新軽水炉はいつ稼働するのか?(Ⅴ)

現在普及している軽水炉をベースに、新技術を導入した新型炉が「革新軽水炉」と呼ばれる。再生可能エネルギーとの共存のための出力調整機能の強化やテロ対策、福島第一原発事故を教訓とした自然災害への耐久性向上や溶融炉心対策や放射性物質放出防止などの過酷事故対策のための設計が盛り込まれる。
原子力

革新軽水炉はいつ稼働するのか?(Ⅳ)

1966年7月、日本で初めて日本原子力発電の東海発電所が商業用原子力発電所として営業運転を開始した。出力:16.6万kWのマグノックス炉が、英国GEと富士電機グループにより建設された。その後、ガス炉に比べてコンパクトで建設費が安い軽水炉の導入が始まり、米国GEから技術導入で沸騰水型原子炉(BWR)、米国WHからの技術導入で加圧水型原子炉(PWR)の設計開発が進められた。
原子力

革新軽水炉はいつ稼働するのか?(Ⅲ)

一口で原発といっても世界では多くの型式の原発が開発されている。日本で商用化されているのは原子炉容器内で原子炉冷却材である軽水が沸騰状態で使用される沸騰水型軽水炉(BWR)と、沸騰しないように加圧して使用される加圧水型軽水炉(PWR)の2種類である。