
日本の高速炉の開発現状(Ⅰ)
原子炉(核分裂炉)は、核分裂反応によって生じる高速中性子を減速して核分裂反応を生じさせる熱中性子炉と、減速しないで核分裂反応を生じさせる高速中性子炉に大別される。高速中性子炉は、当初「核燃料サイクル」を実現するための重要な炉と位置付けられ、高速増殖炉(FBR)として開発が進められた。高速増殖炉は原子炉冷却材として液体金属ナトリウム(Na)が使用され、発電しながら消費した以上の核燃料(プルトニウム)を生成することができる。しかし、プルトニウムが過剰で増殖に意義を見出せなくなり、最近では単に高速炉(FR or FNR)と呼び、プルトニウム焼却用原子炉と位置付けられている。