世界の原子炉開発は、「第1世代と呼ばれる黎明期の原子炉」に始まり、「第2世代である現行の軽水炉など」が続き、現在導入が始まっている「第3世代と呼ばれる改良型軽水炉など」へと進められてきた。小型軽水炉「SMR」は、第3+世代に位置付けられている。
一方、2005年2月、「第4世代の原子力システムの研究及び開発に関する国際協力のための枠組協定」が締結され、2030年代の商業導入を目指して13カ国+1機関により、「新型炉」の開発が進められている。
第4世代原子炉開発の動き
非軽水炉型の新型炉は、第4世代の原子炉である。すなわち、世界の原子炉開発は、黎明期の原子炉(第1世代)に始まり、現行の軽水炉等(第2世代)、現在導入が始まっている改良型軽水炉など(第3世代)と進められてきた。なお、小型軽水炉(SMR)は第3+世代と位置付けられている。
米国では電気出力:30万kW以下の軽水炉を「SMR」と呼び、非軽水炉型の原子炉は出力に関係なく「新型炉」と定義し区別している。また、英国では出力:100万kW以下の小型軽水炉を「SMR」と呼び、非軽水炉型は先進モジュール炉(AMR:Advanced Modular Reactor)と呼び区別している。
2005年2月、「第4世代の原子力システムの研究及び開発に関する国際協力のための枠組協定」が締結され、2030年代の商業導入を目指し、主要各国により新型炉の開発が進められている。
第4世代の原子炉開発とは:
■1999年、米国は第4世代(GIF:Generation IV)の概念を提唱した。
■これを受けて、2001年7月に「第4世代原子力システム国際フォーラム」が発足。
■2002年7月、研究・開発課題として6システム(ガス冷却高速炉(GFR)、鉛冷却高速炉(LFR)、溶融塩炉(MSR)、ナトリウム冷却高速炉(SFR)、超臨界水冷却炉(SCWR)、超高温ガス炉(VHTR))を選定。
■2005年2月、「第4世代の原子力システムの研究及び開発に関する国際協力のための枠組協定」が締結。2030年代の商業導入を目指し、アルゼンチン、豪州、英国、カナダ、韓国、日本、ブラジル、フランス、米国、南アフリカ、スイス、欧州原子力共同体(ユーラトム)、中国、ロシアが開発を推進している。
■2015年2月、枠組協定が、2025年2月28日まで延長された。
近年、電気出力:30万kW以下の小型モジュール炉(SMR:Small Modular Reactor)が、世界で注目を集めている。本来、SMRはモジュール化により工場内で組み立て、ユニットとして輸送・設置する炉の総称である。
しかし、米国では電気出力:30万kW以下の軽水炉を「SMR」と呼び、非軽水炉型の炉は出力に関係なく「新型炉」と定義している。また、英国では出力:100万kW以下の小型軽水炉を「SMR」と称し、非軽水炉型の先進モジュール炉(AMR:Advanced Modular Reactor)とは区別している。
本稿では、米国方式の分類に従い小型軽水炉である「SMR」と、非軽水炉型の「新型炉」の開発動向を区別し、非軽水炉型の「新型炉」を中心に開発動向をレビューする。
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