航空機

航空機ジェットエンジン材料(Ⅲ)

民間航空機エンジンでは、大型化するファン構造の軽量化が高分子マトリックス複合材料(PMC:Polymer Matrix Composite)の適用により進められた。安価なガラス繊維強化プラスチック(GFRP)や高強度の炭素繊維強化プラスチック(GFRP)など、用いる強化繊維により様々な特性が発現される。中でも、CFRPは軽量(比重:約2.0)、高強度、高剛性であり、航空機の機体に始まり、ターボファンエンジンのファン部品への適用が進められた。
航空機

航空機ジェットエンジン材料(Ⅱ)

現在、商用機の航空機エンジンの主流はターボファン・エンジンと呼ばれ、圧縮機の前にファンを設置してエンジン外側を迂回させて流す空気と、エンジン内側で燃焼させてから排出する空気に使い分けている。ファンのみを通過する空気流入量とエンジンで使用する空気流入量の比率はバイパス比と呼ばれ、ボーイング787機のエンジンではバイパス比が9程度と高く、燃費効率に優れている。
航空機

航空機ジェットエンジン材料(Ⅰ)

2021年10月に国際航空運送協会(IATA)、2022年10月に国際民間航空機関(ICAO)で、「2050年カーボンニュートラル達成」の国際的な目標が合意された。日本も国際航空分野において2050年までにカーボンニュートラルを達成することを公式に宣言しており、航空分野におけるCO2削減の動きが活発化している。この目標達成には、「SAFの活用」、「新技術の導入」、「運航方式の改善」を組み合わせる必要が示唆されているが、鍵を握る航空機ジェットエンジンの開発現状について、構造材料の切り口から観てみよう。
はじめに

脱炭素向け「グリーン預金」の導入

相次ぐ大手銀行の「NZBA」からの離脱が報じられる一方で、地方銀行が資金使途を脱炭素向けの融資などに限定する「グリーン預金」を相次いで導入している。地方銀行はグリーン預金を原資に、再生可能エネルギー関連の設備投資などの資金需要に応える。中小企業はグリーン預金に資金を預けることで、脱炭素に貢献している姿勢をアピールできる?
はじめに

ネットゼロ・バンキング・アライアンスから離脱(Ⅲ)

米国の銀行や保険会社の「業態別アライアンス」を通じた活動が反競争的であるとの指摘や、トランプ大統領の就任に対する政治的な配慮が「GFANZ」の活動に影響した可能性が大きい。「GFANZ」は国・地域ごとの事情を踏まえ、より現実的な行動に適応する脱炭素化ビジネスモデルに移行しつつある。一方で、日本の金融機関の「NZBA」からの離脱が始まった。どこまで本音か分からないが、「2050年までのネット・ゼロ排出へのコミットメントを維持する」ことに期待したい。
はじめに

ネットゼロ・バンキング・アライアンスからの離脱(Ⅱ)

2021年11月に英国グラスゴーで開催された「COP26」に合わせて、金融機関が気候変動対策に取り組むための枠組みとして、同年4月にグラスゴー金融同盟「GFANZ」が発足した。「GFANZ」は傘下に9セクターの業態別連合を保有しており、「NZBA」はそのうちの一つで銀行・投資銀行アライアンスである。実は、他のアライアンスである「NZIA」や「NZAMI」でも、メンバーの離脱が進んだ。
はじめに

ネットゼロ・バンキング・アライアンスからの離脱(Ⅰ)

いよいよ「ポスト脱炭素」が始まったのか?米国の大手銀行が相次いで「ネットゼロ・バンキング・アライアンス(NZBA)」からの脱退を発表した。2025年1月、トランプ氏の米国大統領返り咲きで高まる政治的圧力を受け、米国の大手銀行が我が身を守るための行動とも報じられている。
はじめに

エネルギー基本計画とGX2040ビジョン(Ⅱ)

岸田政権時代に、2023年2月にはGX(グリーントランスフォーメーション)基本方針が閣議決定され、2023年5月にはカーボンプライシングの導入を含むGX推進法、原子力発電所の運転期間の実質60年超への延長を盛り込んだGX脱炭素電源法のGX関連法が相次いで成立した。また、これらの政策を実行するため「GX推進法」に基づき、2023年7月には「脱炭素成長型経済構造移行推進戦略」(GX推進戦略)が閣議決定された。2025年2月18日、「GX2040ビジョン 脱炭素成長型経済構造移行推進戦略 改訂」が閣議決定された。GXに向けた企業の投資意欲を高めるのが目的で、2040年までの”産業構造と産業立地”を示し、”GXを加速するための個別産業分野の取り組み”、”成長志向型カーボンプライシング構想”を明らかにした。
はじめに

エネルギー基本計画とGX2040ビジョン(Ⅰ)

2025年2月18日、「地球温暖化対策計画」が閣議決定された。同時に「第7次エネルギー基本計画」、「GX2040ビジョン」も閣議決定され、一体的にエネルギー安定供給、経済成長、脱炭素の同時実現に取り組むことが公表された。「地球温暖化対策計画」で2040年温室効果ガス73%削減の野心的な目標を設定したものの、「第7次エネルギー基本計画」ではデータセンターなどの増加で電力需要が増えるとし、火力発電の継続利用と脱原発を目指してきた従来方針から大きく転換し、原子力と再エネの脱炭素電源の最大限の活用方針を打ち出した。太陽光や風力などの再エネも増やす方針を示したが、さまざまな制約要件や電気料金が高くなるとの試算から、電源割合は太陽光以外は低めにとどめられた。
再エネ

国内送電網の強化に向けた動き(Ⅱ)

高圧直流送電(HVDC:High Voltage Direct Current)は電力系統間で送電するための技術で、送電側の電力を交流から直流に変換して送電し、受電側で交流に戻して電力を使用する。長距離送電に適しており、周波数が異なり直接交流で接続できない系統間の連系に適している。今後、再生可能エネルギーの拡大や電力システム改革の進展に伴い、洋上風力発電所との連系や送電系統の広域的連系などでHVDCの導入が本格化する。