航空機

量産化に一歩踏み出した航空燃料「SAF」(Ⅶ)

政府は、2030年時点のSAF使用量として、「ジェット燃料の使用量の10%をSAFに置き換える」との目標を設定し、国内でのSAF需要は、2030年に2025年比で約6倍の172万㎘(海外航空会社向け:84万㎘、国内航空会社向け:88万㎘)に急拡大すると想定した。2022年12月、ようやくSAF導入の基本方針が正式に決定され、持続可能な航空燃料(SAF)の導入促進、飛行ルートの効率化、空港施設の省エネと再生可能エネルギー導入などが盛り込まれた。
航空機

量産化に一歩踏み出した航空燃料「SAF」(Ⅵ)

 国内では伊藤忠商事が、フィンランドのネステがHEFA-SPK技術で生産するSAFの日本市場向け独占販売契約を締結し、SAFの輸入・品質管理から空港搬入までの国内サプライチェーンを構築して業界をリード。対抗する三井物産は、米国ランザテック(LanzaTech)・ランザジェット(LanzaJet)と2020年に資本提携し、ATJ(Alcohol to Jet)技術による国内でのSAF生産実現をめざしている。
航空機

量産化に一歩踏み出した航空燃料「SAF」(Ⅴ)

現在、フィンランドのNeste(ネステ)は、世界のSAF生産のトップを走る存在である。一方で、米国では複数のスタートアップ企業が徐々にSAF生産設備を稼働しており、生産能力のアップを図っている。また、ハブ空港を抱えて市場拡大が予想される東南アジアは、SAF生産拠点として適しており、原料である廃食油などの調達も期待できるため、各社の投資が始まっている。
航空機

量産化に一歩踏み出した航空燃料「SAF」(Ⅳ)

2010年代に入ると、各種バイオジェット燃料が「ASTM D-7566」規格の認証を受けた。これにより従来のジェット燃料の規格「ASTM D-1655」の要件を満たすものと見なされ、代替燃料として民間航空機で使用可能となる。SAFの最大の利点は、エンジンや機体の改変を要しない「Drop-in Fuel」 として使用できる点にある。 
航空機

量産化に一歩踏み出した航空燃料「SAF」(Ⅲ)

 航空機用の代替燃料の開発の歴史は古く、化石燃料由来、動植物由来が代表的であるが、直近では、水(水蒸気)、合成燃料の開発が進められている。持続可能な航空燃料(SAF)は化石燃料以外の原料、すなわち、動植物由来、水(水蒸気)、合成燃料が該当する。その中でも、SAFは「CORSIA適格燃料(CEF)」として登録・認証を得る必要があり、その品質は米国試験材料協会規格「ASTM D7566」に規定されている燃料に限定される。
航空機

量産化に一歩踏み出した航空燃料「SAF」(Ⅱ)

世界経済フォーラム内の「クリーン・スカイズ・フォー・トゥモロー・コアリション」は、世界の航空業界で使用する燃料におけるSAFの割合を、2030年までに10%に増加させることを宣言した。このような民間でのSAF導入拡大の動きと並行して、欧州、米国、英国などは政府レベルでのSAF導入拡大の目標設定や、支援制度の整備などを進めている。
航空機

量産化に一歩踏み出した航空燃料「SAF」(Ⅰ)

石油元売り大手のコスモ石油、ENEOS、出光興産が、持続可能な航空燃料(SAF:Sustainable Aviation Fuel)の量産化に踏み出したことが報道された。一方で、海外航空会社が日本への新規就航や増便を希望しても、日本で通常の航空燃料が調達できず諦める例が増えているとの報道もある。
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ブルーカーボンによるCO2の固定(Ⅳ)

ブルーカーボン生態系を多く保有するオーストラリアや米国は、ブルーカーボンの研究が積極的に進められている。しかし、世界的にマングローブ林が主たる対象となっており、オーストラリアなどが国連の認定を得ている。しかし、海藻・海草に関しての実績は、ほとんどないのが現状である。
火力発電

ブルーカーボンによるCO2の固定(Ⅲ)

2000年代には国内の鉄鋼・電力会社などが中心となり、沿岸浅域の磯焼け対策などに乗り出した。しかし、本格的に国内でブルーカーボンに注目が集まるのは、2020年7月のジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)の設立と「Jブルーカーボンクレジット制度」の設立である。最近では、国内でもブルーカーボンに関連した製品開発や事業参入の発表が相次いでいる。
火力発電

ブルーカーボンによるCO2の固定(Ⅱ)

2020年7月には国土交通省認可法人であるジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)が設立された。ブルーカーボン生態系とその他の沿岸域・海洋における気候変動対策への取組みを加速すため、JBEを中心とした「Jブルーカーボンクレジット」の制度が始められた。